Book 2(短編)

□秘密ね?
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〈羽琉〉


『痛っ…!!』

「羽琉、大丈夫!?」

『愛佳…やばい、死ぬかも…』

「…こんなんで死なねーよ」



愛佳、理佐、織田、茜、美愉と休み時間サッカーをしていた。
めっちゃ楽しくて、みんなめっちゃテンション上がってて…
自分は理佐からパスを受けて、シュートしようとボールを蹴ると足にびーんって激痛。


時間が経っても痛みが引かないからそのまま病院へ。
見事に骨折。しかも、治りにくいところが骨折しているみたいで入院することになった。


**********


愛佳「羽琉、おっすー!足の調子はどう?」

『ガチガチにギブスついてるからわかんない』

理佐「あのシュートでなんで骨折?(笑)」

『それもわかんない。先生も謎やね〜って言ってた』



お見舞いにきてくれた愛佳と理佐。
3人で話していると、長濱先生が入ってきた。



「橘さん、足はどう?まだ痛い?」

『いえ、薬も効いてるみたいで痛くないです。長濱先生の顔見たら元気になりました』

「ふふっ…そんな嬉しいこと言われても、何もでやんけん」



そう言って、病室から出て行った。
2人はニヤニヤしていて…



愛佳「…落とす気まんまんじゃん」

『そりゃあんなに若くて可愛かったらね』

理佐「羽琉が狙わないなら、私が落とすね」

『理佐、チャラい(笑)』

愛佳「女医…ってエロいね」

『…確かに』

理佐「はぁ…付き合いたい」

『おい、理佐。マジトーンで言うな』



高校3年生の会話なんてこんなもん。
愛佳と理佐は宿題のプリントを置いて帰って言った。
はぁ…こんな時にも勉強かよ。
そんなこと考えながらも、プリントを開き、問題を解いていく。
数学の宿題で、わからないところがあり頭を抱えていると…



「橘さん、何回もごめんね。大事なこと伝えるの忘れてた」

『長濱先生、何ですか?』

「リハビリの先生から上手に松葉杖使えてるって聞いたけん、退院をはやめようと思うんよ」

『そうですか…』

「ふふっ…宿題頑張ってるんやね」

『でも、ここ難しくて…』

「あー!これね。ここを、こうやって…」



ベッドに座って、自分のシャーペンを持ち教えてくれる長濱先生。
距離が近くて、ドキドキする…
説明がめちゃくちゃわかりやすくて…ありがとうって伝えた。


「宿題がんばって、えらいね」

『…子ども扱いしないでください』

「…してないよ?」

『えっ…』



ぐっと距離を縮めてきた長濱先生。
自分の目をじっとみている。



「ねぇ…」

『…何ですか?』

「先生と…恋、初めてみる?」

『…先生、』

「みんなには秘密ね…?」



そう言うと、自分の唇にキスをした。
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