Book 2(短編)
□デレ期?
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〈羽琉〉
幼馴染の理佐と愛佳。
少し前まで反抗期だったのか、自分に対してめちゃくちゃ冷たかったんだけど最近はちょっとデレてくれるようになった。
でも…二人とも高校生なんだけど大人っぽいしめっちゃ可愛いから、自分がドキってさせられることもしばしば。
今日は愛佳からLINEがきて、一緒にご飯に行こうって話になったんだけど…家の前にはむすっとしている愛佳とにこにこ笑っている理佐がいた。
『お待たせ。理佐も行くんだね』
愛佳「違うよ。たまたま私と羽琉のLINEを見て付いてきたの」
理佐「一緒に行ってもいい?」
『いいよ。なんか、焼肉の気分。』
愛佳『……』
『愛佳、肉嫌い?』
愛佳『…好き』
理佐「ぷっ…(笑)」
愛佳「理佐、笑うなよー!」
『はいはい。ほら行くぞ』
二人の頭をぽんっと叩いて歩き出す。
後ろでは待ってって小走りで追いかけてくる理佐と愛佳。
前まではこうやってご飯に行くこともなかったから…こうやって一緒にすごせる時間が嬉しい。
焼肉を食べて、アイス食べたいってなりコンビニでアイスを買った。
『うっまー!やっぱ、焼肉の後はアイスだな』
「それ、何味?」
『ゆず。食べる?』
あーんってすると、少し恥ずかしそうにしながら口を開ける愛佳。うん、可愛い。
横の理沙を見ると、じーっと自分のアイスを見ていて…
『理佐もいる?はい、あーん』
「…っ、いらない」
『なに照れてんの(笑)』
「…っ、」
こんな姿を見ると、ついつい意地悪したくなってしまう。
愛佳の頭を撫でて、愛佳は素直で可愛いなぁって言うと…
「私も食べるっ、」
『ぷっ…あーん』
「…っ、おいしい」
顔が真っ赤な理佐。
なんで、自分の幼馴染はこんなに可愛いんだろう。
あ、そうだ。
『最近、ナンパされてない?』
「「……」」
『はぁ?されてんの?』
理佐「怒んないでよ」
愛佳「ちゃんと無視してるよ?」
『はぁ…これからは彼氏いますっ言うんだぞ。なんなら、自分の写真見せていいから』
愛佳「…っ、わかった」
理佐「うん、」
そのまま二人を家まで送って、帰った。
**********
美愉と二人で大学の食堂で昼食をとっている。
美愉はカレーを食べて、おいしい〜って目を見開いてる。
『ナイスリアクションだね(笑)』
「そう?私は普通だけど」
『ぷっ…(笑)』
「そうだ!最近の幼馴染ちゃんはどう?まだつんつんしてんの?」
『うーうん。前に比べたらちょっとデレてくれるようになったし、一緒にいる時間が増えた』
「そうなんだ!嬉しそうだね?」
『うん。嬉しい。なにより、めちゃくちゃ可愛いから。』
「二人とも本当に可愛いよね。」
『うん。本当、一人で歩かすのも心配なくらい。よくナンパされてるらしいしね』
「そうなんだ…でも、幼馴染ちゃん、近くに羽琉みたいなイケメンがいたらなかなか彼氏作れないだろうね」
『そんなことないでしょ。』
「二人に彼氏できたらどうすんの?(笑)」
『ん?まず、一発は殴るよね』
「怖〜!!」
『冗談だよ(笑)』
考えたこともなかったな…二人に彼氏か。
大切にしてもらえるならいいけど…しょうもないやつだったら本当に殴りかねないね。
大学が終わり、家に帰ると愛佳からLINE。
〈今から行ってもいい?〉
〈いいよ。〉って返事をすると、階段を登ってくる音。
ドアをノックして入ってもいい?っていう愛佳の声がした。
『愛佳、どうした?』
「用がなきゃきちゃだめなの?」
『うーうん。来てくれて嬉しいよ』
「…っ、…」
『ふふっ…今日の学校どうだった?』
「だにーと茜に羽琉の写真みせてら、キャーキャー言ってた」
『ぷっ…自分って高校生受けいいの?(笑)』
「…何か、嫌だった…」
『愛佳、』
「やきもち…妬いちゃった」
『可愛すぎ。大学生落とそうとしてるだろ?』
「…っ…、」
『照れんなよ(笑)』
あれ…えらい素直な日だな。
まぁ、今まで寂しかったから、甘えてくれるのはすごく嬉しい。
…階段を登ってくる音がする。
ぷっ…たぶん、理佐だな。
理佐「愛佳!」
愛佳「うわ、来た〜…」
理佐「抜け駆けずるい!」
『……?』
この日は二人とも自分の部屋に泊まることになった。
ベッドに3人も並ぶと狭くて…結局なかなか寝付けなかった自分はソファーで眠った。