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□みんな好きじゃダメですか
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ピピピ…



遠くの方で目覚ましのアラーム音が聞こえて、止まった。もう起きる時間かな…いや、でも今日は確か午後からのお仕事だけだったはず。



…じゃあもう少し寝よう…。





「…!?ちょ、何してんの…!」


『おはよ』


「おはよって…何でサナがここにいるの…。てか近い」


『ん?何って、おはようのちゅーやん』



やけにベットの中でモゾモゾ聞こえると思ってうっすら目を開けたら、目の前に湊ア。毎日の恒例行事やろ?って再度近づいてくるサナの顔を手で制する。



「1回もしたことないから」


『それはどうやろ』


「え?」


『ひゃっひゃっひゃ』



まさか寝込み襲われてる…?甲高く笑うサナに恐怖を感じていると、隣のベッドで掠れた声が聞こえた。




『ん…今何時…?』


「朝の8時だよ」


『そっか…おはよう』


「おはようミナ」



いつもハスキーな声だけど、朝だからか余計に声が全然出てなくて、それがなんだか可愛い。おはようって微笑む姿も美しいなぁと思ってたのに、突然その笑顔が消えた。



『…サナオンニ!また抜け駆け!』


「へ、ちょ、ミナ…?」



さっきまであんなに細々とした声だったのに急に大声で叫ぶから、思わず私も隣にいたサナもビクッとする。



『…まさか一緒に寝たんじゃ…』


『あ、バレた?』


『なっ…!』


「いや、何もバレることないし。寝てないし」


『さっきは恒例の朝のちゅーもした』


「サナ。お願いだから嘘に嘘を重ねないで」



事実を1つも述べようとしないサナさんは、何が楽しいのか私の膝の上に寝転がっておひょおひょ言ってる。一方のミナは、怒ったような拗ねたような表情で手元にいたペンギンのぬいぐるみをバシバシ叩いてて。…あ、それ私が誕生日にあげたやつ…。おひょ…。



『…朝から何…?騒がしいんだけど』



うるさかったのか、同じ部屋のメンバーが起き出した。ナヨンオンニもジヒョも状況を把握しようとしてるみたいだけど、頭には?が浮かんでる。相変わらず膝の上にいるおひょアと、ペンギンを叩いてるミナと、困っている私。寝起きの頭には到底理解できない光景だと思う。



「…朝ごはん作ってきます」




起きたばかりなのに、何か疲れました。
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