冷徹強盗と医大生


□旅立つ貴方に
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大学も単位がとれたので休みの早朝、
僕は体を揺らされて目を開けたがまだ眠く聞こえてくる声も心地よくて肩を揺さぶる手を掴むとすごく冷たくて完全に目が覚めた…。


「おはようお嬢さん。」

「お、おはようございますスナートさん…。」


時計を見るとまだ4時、
こんな時間にどうしたんだろう?


「どうかしたんですか?」


「信じがたい話だろうが俺とミックは時空を救うための旅に出る。」


そういえばそんなストーリーが何かであったけどそこに行ってしまったらスナートさんは…。


目の前が歪みスナートさんの手が目元を拭う、どうやら僕は泣いているらしい…。


「一生の別れって訳でもないだろう?」

違う、今行ってしまったらもうスナートさんには会えない。

「終わったらすぐ帰ってくるから泣くな。」

「スナート…さん、
本当に?本当に帰ってきますか?
居心地の良い場所見つけたりお宝を見つけたら居座ったりしませんか?」


涙を拭っていた手が体を引っぱり僕はスナートさんの腕の中に収まり一枚の紙と二つの鍵を渡された。


「これは?」

「俺とミックが隠れ家として使っていた家の住所と鍵。」

「隠れ家教えちゃって良いんですか…?」

「ミックが居ない間に部屋を片付けたいしお前が住んでいたら誰も犯罪者の隠れ家なんてわからないだろ?」


僕の手に紙と鍵を握らせてスナートさんが首筋に顔を埋めてきてくすぐったいと思った次の瞬間チクリとした痛みが走り顔を上げたスナートさんはかなり満足そうな顔をして僕をベッドに戻す。


「おやすみ鋼夜。」


離れる寸前でスナートさんにキスをすると驚いた顔をしていたがすぐに笑う、いつもの笑みではなく目がギラギラしているいつかの夜のような笑みだった…。


これはまずいスイッチを入れてしまったと後悔したがスナートさんに押さえつけられたので逃げられない…、
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