冷徹強盗と医大生


□実は犯罪者
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「親は?」

「き、昨日新婚旅行に出かけて帰りは未定デス…。」


僕の説明にキャプテン・コールドいや、レナートさんは何かを考えているようだけど激しく嫌な予感がフラッシュのように駆けめぐって止まらない。


「まぁ座れ。」


いやここ僕の家ですよお兄さんとも言えず素直に真向かいのソファーに座る。


「その様子だと俺が誰だかわかっていないらしい。」


いや、
もう理解しています凶悪強盗犯ですよね。


「まぁわかったとしてお前に残されている選択肢は二つだ…。」


テーブルの上にウィスキーの瓶をゆっくりと置く、その姿もなかなか様になっているが問題はその選択肢。


「このまま黙って俺を匿うか…。」


言い終わると銃が目の前に向けられた、 無理なら消すということだろうけれど。


「や、やるなら寝ている間にでもできたんじゃないですか…?」


口がカラカラするけどなんとかその言葉だけ言えた…、
満足そうに頷くと銃を下げてくれたので胸を撫で下ろす。


「目覚めてからお前の部屋に行って物音をたてても呑気に眠っていた…、

確かにそのときにやろうと思えばすぐにでもできたが俺は恩人を殺すほどクズじゃあない。」


小指の指輪を撫でながら少し首を傾け何かを考えていたがすぐに笑みを浮かべた…。


「だがお前が黙っているという保証も無いし幸いにもお前の親は帰ってこないから部屋も空いてるだろう?」


居座るつもりだなこのお兄さん…!!


「で、でも僕講義があるしこの家何もないから暇でしょう…?」

「パソコンもあるし面白いことに雑誌の切りぬきを集めるやつがこの家に居るようだから暇ではないが?」


瓶をもっていた手に今度は僕の鍵つきハンドブック…鍵は僕が持っていて念のためアクセサリーキーと一緒に鍵束に紛れさせていたのに。


「アクセサリーキーに紛れ込ませるのはみごとだがひとつだけ細かい傷が幾つもついていた、素人はごまかせても俺のようになれているやつはすぐにわかるぞ。」


ぐうの音も出ない…。


「それと腹が減っていたから勝手に食った、けっこううまかったぞ。」


よく見ると机の上には空の皿、
シンクには空の鍋があるということはこのお兄さん三人前のチャーハン食べたのか…?
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