小説

□貫きながら散るように
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れにちゃん目線

あーりんの瞳がやけに色っぽくて、長く見つめてられなかった
触れたら壊れてしまいそうで、柔らかい肌の憂鬱が不安で
笑うことしかできなくて
最低かな笑うなんて、笑いかけるなんて
感情を殺すしか、寄り添えないのかなって、思っても

薄暗い部屋に押し込まれる
薄暗くて、ぼんやりしてて、何にも見えない
そんな不安を、感じているのだろうか
いつも、その眼は

ぼうっとした瞳、震えた左手
私は、近くにあったベットに彩夏を落とす
一瞬揺れて寂しく光った瞳に、私は上からかぶさった
両肩をつかんだら、彩夏の呼吸と鼓動と

「彩夏さん、」
「なぁに…」
「愛してるよ、」
「…言わないでよ、」
「なぁんで、」
「だいすき。」

困った眉が不安という名のる欲をそそる
二人の時はさんづけになってしまうのも、堪らなくいい
背中に置かれた手の温度差に言葉はなかった
それだけで大きな安心感と大好きがあふれそうな

「れに…さん、…」
「…普通に呼べばいいじゃん」
「だめなんか、やなの……れにさん、そんなこといわないで、?」
「ごめんね、」

左手を動かして、少し荒っぽく髪を撫でる

「耳、あついね」
「れにさんが、重いから」
「ひどい…」
「…あったかいよ」
「…うん、」

だんだんと周りが見えてくる感覚に、瞼を閉じて
もう少しと、暗闇に願って
だいすきと、あなたに伝えず

「れにさん、」
「なぁに」
「…いなく、ならないでね」
「うん。」

二人の時しか見せないその甘えが好き



やっぱり私は、最低かしら

おやすみと、あなたを抱いて寝れるなら
あなたを傷つけてもいいと、思ってしまうから


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