小説
□貫きながら散るように
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あーりん目線
あぁ、そう
結局あなたも
視線の先の視線に怒りに似た感情
嫉妬、そんなんじゃないし
私の彼女、とられたくないってだけだし
自分のおもちゃとかとられたら、誰だって嫌でしょ?
気が付いたようで、こちらにも同じ笑顔を見せる
私が嫌いな笑顔、私の物
ねぇ、その笑顔は誰にでも手に取られやすいようになの？
どうしてあなたは、私というものがいながら
「ねぇ、あーりん」
その声も、嫌いなの
どうしてって、どうしても
あなたの事が好きなのに、あなたの事が嫌いで
そんな矛盾に、ときどき寒気がする
「だいすきだよれにちゃん、」
他の誰の物にも、ならないで
なんの感情もない声になってしまった
でも、どうして気づかないの
そんな笑顔で、輝く瞳で知ってるよなんて
この気持ちを知ってるの、どうして
私にも知りえない、この気持ちを
柔らかいその唇を指でつぶす
その手をつかんで真剣な瞳を見せて引き寄せる
この温度、ぬくもりがこみ上げるものを溢れさせる
「…ばか、」
なんてやつなんだろう
ねぇ、やっぱり
その手を引いて仮眠室に入って
どうすると思う？
二人だけの秘密