小説
□夢幻泡影月ノ夜
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夏菜子ちゃん目線
「リーダー!」
脳裏で響くその言葉が
誰の声かわからない
「夏菜子ちゃん、」
楽屋に入った瞬間、あーりんが肩をつかんで
れにが叫んで、ももかが涙目で
「ーーーが、……」
えっ
なんて言ったの、みんな
「っごめん、聞こえな…」
「ーーーーが、階段から落ちて…」
だれが、誰が階段から
皆なんでこんなに焦っているの
あれ、私はどうして、
何も感じていない、でも
それなのに
涙が、止まらないの
階段に向かった
そわそわした体と疑問しかない私の脳内
皆の青ざめた顔と私の頬を伝う涙
その階段の下には
「え、」