ナンバカ
□Japanese○○!!
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「猿門主任酷いです!全て私が悪いとおっしゃるのですか……!」
「そりゃ勝手な行動したお前が100%悪いだろーが!!」
泣き真似をしてみせるが、これもすでに何度も試しているため猿門に効果はない。
「もう!私にどうしろって言うんですか!?」
「仕事しろよ!!」
この漫才のような会話はある意味この5舎の名物であり、ウノ、ロック、ニコは、Japanese漫才と喜んでいる。
本当はこの4人、5舎の見学と言うよりも、ロックから聞かされていたこの二人の会話を聞くために来ていた。
勿論このことは巫兎も知らず、ただ見学をしたいという4人の頼みを聞き入れただけなのだが、巫兎は巫兎でサボるためだったりもする。
「あれ?なんで13舎の連中がここにいるわけ?」
そんな騒がしさに気づきやって来たのは、さっきまで木陰で寝転んでいた5舎の囚人、囚人番号71番のチィーだ。
「あ!チィー、今日もサボり?」
「まーねー」
「なんだとぉ?」
チィーの言葉に、猿門の視線が巫兎からチィーに向けられ、チィーは猿門の存在に気づく。
「あれ……?アンタも居たんだ……。よーし、俺も走ってくるかなぁ」
猿門から逃げるように、チィーが走りに行ってしまうと、猿門の鋭い視線が巫兎へと向けられた。
「そういやお前、昨日8房の鍛練中にいなかったみてーだが、いったい何してやがった」
「何って、私にもやることがあるんですよ!」
「てめーのやることは囚人共の監視だろーが!!」
そんな会話をしていると、同じく5舎の看守である猪里が巫兎へと近づいてくる。
「巫兎ー、昨日の競馬なんだけどよぉ、って主任、いたんスか!?」
さっきも似たようなことがあったばかりだが、何故ここに猿門がいることに気づかず話し出すのか。
そして今回はタイミングが悪く、昨日巫兎が何をしていたのか猿門に知られてしまう形となった。