忍たま乱太郎

□その名は
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「今日のは任務っていうより、単なるお助け係かな」

「は?」



首を傾げている音根に対し、まさかの、忍たまがピンチになった時の手助けをするのがここに来た理由だ話す昆奈門。

任務でもなければ、タソガレドキと敵対している忍術学園の忍たま、何故自分達がそんなことしなければならないのかと帰ろうとする音根に、これは組頭としてのお前への任務だと言われてしまえば、聞かないわけにはいかない。



「はぁ、わかりました」

「それじゃあ、あの子達の後を追うよ」



さっきの忍たまの後を着いていくと、何故そうなるといいたくなるくらいにその子達には不運が続く。

些細な不運なら見逃すが、危険と感じたものは音根と昆奈門で払い除ける。

勿論気づかれないようにだが、音根は先程から険しい顔をしている。



「やりにくい」

「え?」

「君、そう思ってるよね」



竹筒に入った雑炊片手に、音根が感じていたものをピタリと当てる。

そう、昆奈門は気づいていたのだ。
どんな任務でも完璧にこなす音根の、ただ一つの弱点ともなりえるところに。



「なんのことですか?」

「惚けても無駄。君、人と一緒に行動するのが苦手だよね?」



そう、最初に昆奈門と組んだときも、二人でこなすはずだった任務の説明を聞くと、音根は一人で全てをこなしたのだ。

そして今、二人で忍たま達を助けているというのに、その表情は険しく、それが意味する答えはただ一つ。

二人でのコンビやチームプレーが苦手ということだ。

今二人が追っているのは、忍術学園で不運な生徒ばかりが集まる保険委員会の忍たま達。

そんな一度に沢山降りかかる不運が一人で払い除けられるはずもなく、結果、今音根は昆奈門と嫌でも協力せざるを得ない状況となっている。



「だったらなんなんですか?任務が成功すれば一人でも」

「大丈夫だっていうの?君ねぇ、任務によっては協力しなきゃいけないときだってあるんだよ」

「だから私に、それをわからせるために連れてきたんですか?」



チームプレーが大切な事くらい音根にだってわかっている。
だが、いつ裏切るかわからない相手に背中を預けることなど、音根にはできない。

それが誰であろうとどんな任務であろうともだ。



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