忍たま乱太郎

□視線の先には
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「喜八郎にタカ丸さん、一体何の話をしてるんだ?」



そんな二人に声をかけてきたのは、同じく四年生の田村(たむら) 三木ヱ門(みきえもん)

三木ヱ門はなにかと滝夜叉丸と張り合っており、ライバル関係とも言える。



「それが、滝夜叉丸が斯々然々(かくかくしかじか)で」

「何いぃ!?あの滝夜叉丸が、あの自分大好きなあの滝夜叉丸が、自慢話をしないだと!?」

「そうなんだよね〜。それも決まって話すのは、六年は組の音根ちゃんの話だしね」



喜八郎の言葉で驚く三木ヱ門に、ニコニコしながらタカ丸が話すと、その風明先輩とは何者なんですかとタカ丸に詰め寄る。

そんな中、喜八郎は気になったことがあり、あの〜、と口を挟む。



「何だ喜八郎!今タカ丸さんは私と話を」

「いや、少し気になったんですけど、タカ丸さんって風明先輩と仲がいいんですかぁ?」



どうやら喜八郎は、タカ丸が音根のことを音根ちゃんと会話の中で呼んでいたことが気になっていたようだ。

女で忍たまということもあり、皆が話しているのや本人を見かけることはあるものの、喜八郎は話したことがないため少し興味があるようだ。



「言われてみれば、さっきタカ丸さんは音根ちゃんと呼んでましたよね」

「うん。音根ちゃんは僕と同じ火薬委員なんだ〜。だから、話すこともよくあって仲良くなったんだよ」



全く知らなかった、というより、女忍たまにとくに興味がなかった二人が汁はずもなく、なるほどと納得すると、タカ丸は、音根について話始める。


女ならくの一教室に入るのが普通なのだが、音根は忍たまとして入りたいことを学園長に相談したらしい。

そんな音根のことを面白いと思った学園長は、あっさりと忍たま六年生として編入することを許可したようだ。

忍術は六年生と同じくらいにこなせるため、六年生への編入となり、六年は組として授業を受けることとなった。

勿論女だからと優遇することはなく、音根の部屋は同じく六年は組の、善法寺(ぜんぽうじ) 伊作(いさく)食満(けま) 留三郎(とめさぶろう)と同室だ。



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