忍たま乱太郎

□湖の逢い引き 前編
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「どうぞ、Aランチです」

「ありがとうございます」

「今日も美味そうだ。利吉も食べていければよかったんだが、次の任務がありますからと行ってしまったからな」



二人はお昼を受け取ると、空いている場所に座り食べ始める。


伝蔵の話していたことで先程の中庭でのことを思い出しながら、利吉さんもお昼を食べられたらよかったのに、と伝蔵と同じことを考えてしまう。

特別授業をした後に任務。
プロの忍者といっても疲れないわけではないため、無理をしていなければいいのだがと考えていると、他の忍たまやくのたま達もぞろぞろと食堂にやって来たため、今は人の心配より自分の仕事に専念する。


しばらくしてお昼時間が終わると、音根は後から付けを終わらせいつもの場所へ向かう。

お昼に利吉が休んでいた場所であり、音根のお気に入りの場所。

さっきはゆっくりできなかったが、片付けも終えて時間もできたため、木に背を預け座ると、そのまま瞼を閉じ眠りにつく。

忍たま達はまだ授業中のため、この場所はとても静かで心地がいい。


それからどれくらい眠っていたのか目を覚ますと、何故か音根は木ではなく誰かに寄りかかっていた。

慌てて立ち上がり謝罪すると、よく眠っていましたねと、今日二度目の人物の声が聞こえ下げていた頭を上げる。

するとそこにいたのはやはり利吉であり、顔が熱くなる。



「気にしなくて大丈夫ですよ。任務が早く終わったので休ませていただいていただけなので」

「では、お腹が空かれてるのではありますか?よければ何か作りますよ」

「いや、でも、もうお昼はとっくに過ぎて――」

「大丈夫ですから気にしないでください。さあ、食堂へ行きましょう」



利吉に食堂へと来てもらい座って待ってもらうと、音根は早速調理を始める。

今日のお昼はもう残っていないため、簡単な物を作り利吉の前に置く。



「こんな物しか出来なくて申し訳ないんですが、どうぞ召し上がってください」

「そんなことないですよ。とても美味しそうだ」



利吉は両手を合わせいただきますと言うと、箸を手に持ち、音根の作った物を残すことなく平らげた。

任務が終ったばかりのため疲れているに違いないと思った音根は、利吉に今日は他に任務はあるのか尋ねる。



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