忍たま乱太郎
□恋敵はユリコ
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「おお!胡桃じゃないか、それに音根だったか。もしや、私の千輪のうでを見に来たんだな」
「そうそう!音根が滝夜叉丸の千輪の腕前を見たいんだって。それと、滝夜叉丸の凄いところも知りたいんだって」
「え?胡桃?」
「それじゃ、私は用事があるから」
滝夜叉丸と胡桃が知り合いであったことにも驚きだが、訳もわからないまま音根はこの場に残されてしまい、友人である胡桃の考えが全くわからなくなる。
そして残された音根は滝夜叉丸の千輪の技を見せてもらうことになったのだが、その腕前は凄いものでつい拍手をしてしまった。
「凄い!!」
「はっはっはっ!!私が凄いのは千輪だけではないぞ」
そこから滝夜叉丸の自慢話が始まり、最初は真剣に聞いていたものの、長い自慢話に少し疲れてきてしまう。
だが、自分からお願いしたことになってしまっている以上、話を聞かないわけにもいかず困っていると、突然背後から声が聞こえてきた。
「ユリコ、発射ッ!!」
声とともに大きな音が響き渡ると、何かが滝夜叉丸の元へと降ってきた。
一体何が起こったのかと振り返ると、少し離れた距離に三木ヱ門、そして横にはユリコの姿がある。
「危ないだろうが!!一体私に何の恨みがあるんだ!!」
「大有りだ。だが安心しろ、実弾ではないからな」
「実弾じゃなくても当たれば大怪我だろうがッ!!」
怒る滝夜叉丸のことなど気にしていない様子で、大砲は滝夜叉丸目掛けて発射される。
その攻撃から逃げるように滝夜叉丸が逃げていくと、笑いながら三木ヱ門がユリコを連れて音根の元へと歩いてくる。
「あはははっ!!見たか?あの無様に逃げていく滝夜叉丸の姿、傑作だな」
二人の仲が悪いことは、最初の二人の会話で気づいてはいたものの、実弾ではないにしろやりすぎなんじゃないかと苦笑いを浮かべてしまう。
「えっと、やっぱり実弾ではないにしろ危ないですから、敵ではない人に向けるのは……」
「何だ、音根は滝夜叉丸を庇うのか?」
「あの、えっと、庇うとかそういうことではなくてですね」
ただ危ないということを伝えたかっただけなのだが、三木ヱ門はムッとした様子で音根に視線を向けている。
そんな視線でじっと見つめられてしまうと、何も言えず黙ってしまう音根の姿を見て三木ヱ門が口を開いた。