ONE PIECE
□次会う日には
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ハルは今、麦わらの一味で剣士なんて呼ばれている男、ロロノア・ゾロに勝負を挑んでいた。
というのも、ハルは今まで麦わらの一味が向かった場所を目指していたのだが、着いたときはすでに出航した後だったりでなかなか追い付けずにいた。
だが、ようやく今日、見つけることができたのだ。
「ロロノア・ゾロ!!私と勝負しなさい」
「わりィが、女とやりあうつもりはねェ」
背を向け、再び歩き出してしまうゾロの前にハルは回り込むと、動きを制止する。
「待ちなさいよ。貴方、世界一の剣豪を目指してるんでしょ?」
「だったらなんだ」
「それは無理よ。私が世界一の剣豪になるんだから」
「そうか、じゃあ頑張れよ」
まるでハルなど眼中に無いといったように、ゾロは手をヒラヒラと振り横を通り過ぎていく。
甘く見られたままにはできず刀を抜くと、ハルはその背に斬りかかるが、あっさりとかわされてしまう。
「くッ……!」
「その程度なら刀を抜くまでもねェ」
またも甘く見られた発言に悔しさを感じるが、再び歩みを進めるゾロの背を見つめ、刀を握る手にグッと力を込めると、ハルは刀を鞘へと戻し後を追う。
一回かわされたくらいで、あの男が強いなんて認めたくはない。
「おい、何時までついてくるきだ?」
「勝負してくれるまでよ。それより、さっきから同じところぐるぐる回ってるみたいだけど、何処に向かってるわけ?」
「船だ」
どうやら自分達の乗ってきた船の場所に向かっているらしいが、この街で船を止める場所といえば逆方向にある場所しかない。
「もしかして貴方、方向音痴なの?」
どうやら図星らしく、ハルは溜息を一つ吐くと、ゾロの腕を掴み歩き出す。
「おいッ!」
「船がある場所まで連れてってあげるんだから、大人しくついてきなさいよね」
腕を強引にも引っ張りながら目的の場所まで来ると、そこには麦わらの一味の船があり、ハルはゾロの腕から手を放す。
「おーーい!!ゾロー!!」
その時、大声で叫ぶ男の声が聞こえたかと思うと、突然頭上に影が差し、麦わら帽子を被った男が目の前に降ってきた。