ONE PIECE
□笑顔の海賊団
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麦わらの一味の仲間になって3日目の朝。
皆より早く起きてキッチンで朝食を作っていた。
包丁を片手に野菜を切っていると、扉の開く音が響きサンジがダイニングへとやって来た。
「おはよう、サンジくん」
「おはよう、ハルちゃん。って起きるの早いね。それに、何だかいい香りがするけど」
朝食を作っていることに気付いたサンジが代わろうとしたが、ハルはサンジを椅子に座らせると珈琲を淹れ、朝食ができるまでゆっくりしていてと伝える。
そんなハルの気遣いにサンジは柔らかな笑みを浮べありがとうと口にすると珈琲を飲む。
その間にハルは朝食の続きを作り始め、しばらくすると皆もダイニングに集まりだた。
なかなか現れない人物が一人いたが、どうやら朝食の香りにつられやって来たようだ。
扉が開くと、お腹を空かせたルフィがダイニングへとやって来た。
丁度朝食も作り終えたため皆の元へ運び、料理がいき渡ったところでようやく皆朝食をとる。
「うめーッ!!」
「本当に美味しいわね。コックさんに負けてないわよ」
早起きなんて慣れておらず疲れてしまっていたのだが、皆の役に立てたことが嬉しくて笑みが溢れる。
サンジみたいに上手くはできないが、ハルが作った朝食は綺麗に完食され、食べ終わった後は皆ダイニングから出ていく。
そして誰もいなくなったダイニングでは、サンジが空になった皿を集めていたため自分も手伝おうと声をかけた。
「これくらい慣れてるから平気さ。ハルちゃんは朝食を作ってくれたんだ、疲れてるだろ」
「いいのいいの、気にしないで」
そう言うと、空になった皿をサンジと一緒に運び、ハルはサンジが洗った食器を拭く手伝いをさせてもらう。
サンジはハルに手伝わせることを気にしているようだが、何の能力ももたず、何の役にも立てない自分が皆に嫌われないように、邪魔にならないようにするには、自分にできることをするしかないのだ。