ONE PIECE

□or
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「お前ら何してんだ?」

「あ、船長!何って今日はハロウィンですよ」



皆で食事部屋を飾り付けていると船長に尋ねられ答えるが、くだらないなと椅子に座りお昼御飯を食べ始めた。



「船長も食べ終わったら一緒に飾り付けをしませんか?」

「おれはいい」



船長とも一緒にハロウィンを楽しみたかったがやっぱりダメかと残念に思いながらも私は飾りの続きへと戻った。


皆で飾り付けや料理を用意したため夕食前には準備が終わり、私はこの日のために街で買っておいた魔法使いの服を着て食事部屋へと向かう。



「ハル似合ってるぞ!」

「ありがとうベポ」



ベポにペンギン、シャチや皆に可愛いや似合ってるなどの声をかけられ嬉しさと恥ずかしさを感じていると、先程まで部屋の隅で椅子に座っていた船長の姿がなく、何処に行ったんだろうと食事部屋を出て探しに向かった。

折角だから少しでも船長に楽しんでもらいたかったのだが、やっぱり船長には楽しんでもらえなかったのかもしれない。


部屋にも行ってみたが返事はなく、船の中を探したが何処にもおらず、あと行っていない場所といえば一つしかなかった。


やっぱりここにいた。


甲板には、背を預け深く帽子を被り座っている船長の姿があり、近付き声をかけるが返事はない。



「やっぱり、船長はこういうのは好きじゃないですよね……。すみません、無理に付き合わそうとしてしまったみたいで」



皆の元へ戻ろうとしたそのとき背後から待てと呼び止められ振り返ると、船長に座れと促され隣に座るが船長は言葉を発することなく私は船長をチラリと見た。

どうしたんだろうと船長の言葉を待っていると、雲で隠れていた月が顔を出し、薄暗くみにくかった視界が明るくなり船長の横顔が見えた瞬間船長と目が合いドキッと鼓動が跳ね上がる。



「……トリックオアトリート」

「え……?」



突然の言葉に首を傾げると、船長は視線を前に戻し口を開いた。
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