ナンバカ
□ポーカーの勝敗は未来へ導く
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ここ、13舎13房では、今まさに真剣勝負が行われていた。
「ウノ、甘いわね!ロイヤルストレートフラッシュ!!」
「ウゲッ!?マジかよ!?」
「凄い凄い!!また巫兎ちゃんの勝ちだよ!」
今勝負をしているのは、囚人番号11番のウノと囚人番号211番の巫兎だ。
少し前からあることを賭けて勝負をしている二人だが、ここまでで巫兎は5勝0敗の負けなしだ。
「お前どんだけロイヤルストレートフラッシュが好きなんだよ!?5戦ともそれしか出してねぇだろ!」
「だって、何だかロイヤルって可愛いしストレートフラッシュってかっこよくない?」
「まぁわからなくもないけどさ……。それにしても、どんどんイカサマが上手くなってきてるよな」
そう、5戦ともロイヤルストレートフラッシュがくるなど普通ではあり得ないことであり、これは運でもなんでもなくイカサマでの勝利なのだ。
元々巫兎はカードゲームは得意な方だったのだが、ウノと勝負をしてからというもの、イカサマを使うウノには勝てずにいた。
そんな巫兎にウノがイカサマの技を教えたのだが、今ではウノよりもイカサマが上手くなり、教えた筈のウノが手も足もでない。
「ふふっ!ウノに教えてもらったイカサマの他にも独自で色々試したんだから、簡単に勝たせないよ!」
「へぇ、言ってくれんじゃん」
そんな巫兎にウノはニヤリと笑みを浮かべると、もう一戦と今度はブラックジャックを始める。
そしてブラックジャックも5戦勝負したものの、結局5戦連敗だ。
「何でなんだーッ!!」
「はははッ!!ウノかっこわりぃな!女に負けるなんてよぅ」
「うっせーッ!!」
悔しがるウノを見ながら笑うロックだが、この勝負は単なる遊びではない、何故ならこれは巫兎とウノの賭けだからだ。
イカサマで得た勝利だとしても、ウノ相手に真っ向から勝負をしても誰も勝ち目はない。
イカサマはウノの特技の一つでもあるため、相手もそれを越えるイカサマをする必要があるのだ。