ナンバカ
□愛情たっぷりプレゼント
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12月24日がクリスマスイブ、25日がクリスマスなのだが、今そのクリスマスについて、娯楽室では囚人達が盛り上がっていた。
「クリスマスってさ、どっかの国じゃ夏にあんだろ?」
「ああ、南半球の国がほとんどそうだったはずだよな」
ウノの言葉にジューゴが答えると、娯楽室にいる他の囚人達も会話に入りクリスマスの話で持ちきりとなる。
だが、ただ一人ニコだけは、クリスマスというものをどんなものなのか知らずにいた。
「ねぇねぇ!そのクリスマスってどんなことするの?」
「どんなことっつってもなぁ」
「美味いもんが食える日だな!!」
クリスマスケーキや鳥の丸焼きなど、色々なクリスマス料理を皆が口にする中、3舎囚人のハニーとトロワは、クリスマスと言えば女性と共に過ごす日だと口にする。
クリスマスは美味しい食べ物を食べるだけでなく恋人と過ごす人もいたりと、恋人行事とも呼べるものとなっている。
「俺はやっぱり派手な飾りだな」
4舎の囚人であるムサシは、クリスマスが近づくにつれ街がイルミネーションなどの光で包まれている印象が強いようだ。
「それもクリスマスって感じだよな。クリスマスが終わると片付けられちまうけどさ」
「なんだ、ジャパニーズでは25日が過ぎると飾りを片付けてしまうのか?」
ジューゴの言葉に首を傾げたのは5舎囚人のリャンであり、同じく5舎囚人のウパとチィーも出身国が中国のため少し日本とはクリスマスが違うようだ。
中国では陰暦の国のため、旧正月(春節)までクリスマスのデコレーションが続くのだが、日本ではクリスマスが終わるとすぐお正月がやって来るため、25日を過ぎると街の趣はがらっと変わる。
「なんかクリスマスって国によって違うんだね」
「まぁな、あとはクリスマスっつったらプレゼントとかな」
「プレゼント!?」
キラキラと瞳を輝かせるニコは、漫画で見たことがあると話し出す。
寝ている間にサンタがやってきてプレゼントを置いていくというものだが、どうやら漫画でしか知らないニコは、サンタがいると信じているようだ。