ナンバカ

□一番星の輝きを瞳に
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ここ4舎では、主任看守部長の夜桜 犬四郎と、同じく4舎看守の双六 仁志が看守を務めているのだが、そんな4舎に新人看守がやって来た。

その新人看守がやって来て一週間が経とうとしているのだが、犬四郎も仁志も困っていた。

その理由が、新人看守の覚えの悪さが原因なのだ。

書類の整理を頼むと書類は滅茶苦茶となり、別の舎に書類を届けるように頼めば迷子になる。

そんな日々が一週間ともなると二人の口からはため息が漏れてしまう。

そして今では、犬四郎は巫兎には簡単なものしか頼まなくなり、もし何かを頼むにしても、仁志と共に行動を取るような形で落ち着いていた。



「巫兎ちゃん、休憩時間だから一緒に行こ」



仁志と一緒に休憩室へと向かえば、二人はトークに花が咲く。

仕事で共に行動することが多くなった二人は自然と仲良くなり、短い日数で二人の間には友情が生まれていた。



「仁志先輩お兄さんがいるんですか?」

「うん!13舎の看守だからなかなか会う機会はないんだけどね」



今日の休憩室での二人の話題は、仁志の兄である13舎主任看守部長、双六 一のことだ。

仁志と一は兄弟仲がいいらしいのだが、まだ一度も会ったことがない巫兎はハジメがどんな人なのだろうかと想像する。



「きっと、仁志先輩に似て優しいんでしょうね」

「うん!見た目は怖いけど優しいお兄ちゃんだよ」



そんな他愛ない会話をしていると、話は何故か恋愛トークへと変わっていた。

仁志は巫兎に好きな人を聞くが、巫兎は苦笑いを浮かべ、手を胸の前で振りながらいませんよと答える。



「えー、本当にー?じゃあ、僕にもチャンスがあるってことだよね!」



嬉しそうに言う仁志の冗談に、巫兎はそうですねと笑みを向けた。



「あっ!そういえば明日一緒の休みだし、ショッピングに行かない?」

「楽しそうですね!是非」



こうして約束をした日の夜、巫兎は明日着ていく服に悩んでいた。

デートではないのだから深く考えなくてもいいのだが、本土でのお出掛けなど初めてであり、相手が仲良しの仁志でも緊張してしまう。



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