ナンバカ

□今日は何の日
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ここ、南波刑務所の13舎13房の囚人達は、今年のハロウィンのことで何やら話し合っていた。



「去年は娯楽室でハロウィンやったんだよなぁ」

「そうだね!皆でハロウィン楽しかったなぁ〜」



ウノとニコの会話で、ジューゴとロックの脳裏にも去年のハロウィンのことが思い出される。

だが、今年のハロウィンは13房だけでやろうとウノが言い出す。



「何でだ?」

「皆でやった方が楽しいのに」

「だよな」

「だからだな。今回は巫兎つー13房の仲間も増えたことだしよう」



首を傾げる3人に、ウノがヒソヒソと何やら話すと、先程まで首を傾げていた3人が賛成の言葉を口にした。

一体、今年のハロウィンはどんなことになるのかだが、それよりも、13舎には5人の囚人がいるというのに今は4人。
では、13房の新しい仲間となった人物は一体どこにいるのかというと、5舎にある演習場にて、5舎の囚人達とグラウンドを走っていた。



「巫兎さん、大丈夫ですか?」

「うん!たまには5舎で運動するのも楽しいからね」

「変わってるよね。俺ならサボりたい事はあっても、わざわざ自分から鍛練しようなんて思わないよ」

「だからアナタはクズなんですよ。いつもサボっているんですから、もう少し鍛練したらどうですか」



巫兎と一緒に走っているのは、5舎8房の囚人、リャン、チィー、ウパの3人だ。

チィーは、いつもサボってばかりいるのだが、今日の看守は悟空 猿門(ごくう さもん)。
猿門は5舎の主任看守部長であり、チィーがサボろうとしていることなどお見通しだ。

別の看守の八戒 猪里(はっかい いのり)なら、チィーと同じくサボり癖があるため二人でサボっていたりとするが、今日は猿門に捕まり強制的に参加させられている。


5舎は、別名鍛練の5舎とも言われており、スケジュールはかなり厳しい。
そのため、流石に全ての鍛練には参加できないので、グラウンドを走ったりという鍛練のみ巫兎は参加させてもらっていた。



「はぁはぁ……」

「大分疲れているようですね」

「今日の巫兎の鍛練は、ここまでにした方がよさそうだな」

「お、俺も今日はこの辺で……」



なんてチィーが言うと、お前はダメだと言う二人の重なった言葉にチィーは肩を落とす。

苦笑いを浮かべる巫兎は、3人に頑張ってねと伝えると、付き添いで来ていた13舎看守の七夕 星太郎(たまばた せいたろう)に連れられ13舎へと戻る。

勿論この時の巫兎は、13房の皆の企みなど知るはずもなく、いつも通り房へと戻ると、皆とワイワイ騒いだ。


そしてハロウィン当日の朝、巫兎はトリックオアトリートの言葉で目を覚ました。

目覚めた巫兎の瞳に映ったのは、3人がニコニコと笑みを向けている姿だ。



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