ナンバカ

□その答えを探して
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今日も13舎食堂では、囚人達がお昼を食べているのだが、その中で、一際目立つ二人がいた。

その二人とは、13舎13房、囚人番号11番の巫兎。
そして、同じく13舎13房、囚人番号69番のロックだ。

何故この二人が目立っているのかだが、それは、この二人の食欲だ。

二人はいつものように出来上がった料理を食べ始めるのだが、二人の胃袋はブラックホールかというほどによく食べる。



「シロ、おかわり!」

「私も」

「相変わらずよく食うよな」



見習いシェフであるシロに、更に追加を頼む二人の姿を見て、同じ13房である囚人番号11番のウノが、見てるこっちのが腹が一杯になりそうだと言う。

巫兎もロックも5舎で鍛練をしに行っているとはいえ、ロックは兎も角、女の巫兎はかなりの量を食べている。
その上、これだけの量を毎日食べているにも関わらず、巫兎のほっそりとしたスタイルは変わらないのだから驚きだ。



「鍛練後は腹が減るんだよなぁ」

「そうよね。この倍はいけるって感じ」

「二人のお腹って凄いね!!前に聞いたことがあるけど、別腹ってお腹に変えてるの?」

「ニコ、間違ってるぞ」



13房の囚人、囚人番号25番のニコが、キラキラと瞳を輝かせながら言うと、隣に座っていた同じく13房囚人、囚人番号15番のジューゴがその言葉を指摘する。

だが、ニコがそんな風に思うのは無理もないことだ。

巫兎とロックはいつも行動を共にしており、同じ生活を送っていてこうも違えば、ニコと同じ様な考えが浮かぶのも無理はない。

ロックは、鍛練もしており食事も多くとっているため、他の囚人達より逞しい体つきだ。

だが巫兎はというと、ロックと同じ鍛練メニューをこなしている上に、よく食べる。
だが、ここに来てからの体型や体つきとなにも変わっていない。

ロックは男のため、難いがよく、大食いなのは普通なのかもしれないが、それでも、普通の囚人なら悲鳴を上げるほどの5舎の鍛練を巫兎は軽々とこなしているというのに、何の変化もなければ周りは不思議でしかない。



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