ナンバカ
□勝負の結果は新人で
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今日もここ、南波刑務所では、ある騒ぎが起きていた。
普段なら、13舎13房の問題児達が脱獄をするなどの騒ぎなのだが、今回はそんな優しいものではない。
なら、一体何が起きているのかだが、それは、看守と囚人の本気バトルだった。
「今年から開催された、この、看守と囚人の本気バトル!!ルールは簡単、各舎の主任看守と、各舎1人ずつの代表囚人達でチームを作りバトルを行う、本気のバトルだぜエエェェッ!!」
なんとも煩い声で説明するのは、普段はセキュリティールームで南波刑務所内の全体の監視を任されている看守でもあり、こういった行事には実況者として登場する放送局部部長の一声 三鶴だ。
そして選ばれた各舎の主任看守だが、3舎主任看守、三葉 キジ。
4舎主任看守、四桜 犬士郎。
5舎主任看守、悟空 猿門。
13舎主任看守、双六 一の4名だ。
「他の舎の看守はどうしたかって?それは大人の事情だから気にしちゃダメよん!んじゃ、そういうことで、バトル開――」
「おい!!私達の紹介がまだだぞ」
「おっと、そうだそうだ。5舎囚人の三編みくん、そして、その他各囚人達」
「おい、てめーッ!!他の奴等は兎も角、俺をその他と一緒にすんじゃねェッ!!」
中指を立てながら怒っているのは、3舎囚人代表の、自称南波刑務所ナンバー1のイケメン、囚人番号82番のハニー。
そして、三編みと紹介されご立腹なのが、5舎囚人代表、囚人番号2番のリャン。
他、4舎からは代表として、囚人番号634番のムサシ。
13舎からは、囚人番号15番のジューゴが代表として参加となっている。
前に年明けでは、新年大会というものが南波刑務所内で開催されたが、その際は、各舎の囚人代表の房と、看守とのチームだったわけだが、今回は看守対囚人。
まともにやりあえば、囚人が負けるのは目に見えている戦いだ。
「これって、普通に考えたら俺らのが不利だろ」
「その辺は考えてあるから大丈夫だよん。公平な勝負になるように、勝負内容はこっちで決めてあるからねん」
最もな意見のジューゴに頷く一同だったが、今回もどうやら新年大会同様、普通のバトルというわけではないようだ。
新年大会では、巨大だるま落としや百人一首などの種目だったが、今回は一体どんな勝負なのか。
観客の囚人達も含め会場は静まり返る。