ス腐ラトゥーン

□友達から始めよう
1ページ/3ページ

「えっと...」
なんで、ボクは押し倒されてるんだ?



数時間前、ボクはゴーグルたちと練習をするためにハイカラスクエアに来ていた。が、いつもなら時間通りに来るはずのヘッドホンちゃんとニットキャップちゃんが来なかった。不思議に思い、イカフォを取り出すと、急用が出来て来られない、と連絡が入っていた。二人もいないとなると練習何か出来やしないので、ゴーグルには休みの連絡を入れた。
「ふぅ」
落ち着いてから考えると1人でスクエアに来たのは初めてだ。
「探索でもするか」
ボクはイカフォを持って立ち上がった。確かブキ屋から新しいブキが出来た、とメールが入っていたことを思いだし、ボクはブキ屋へと向かった。

「いらっしゃいでし」
ブキ屋に入ったボクを出迎えたのは店主のブキチだ。
「えっと、新しいブキを見たいんですけど」
ブキチは店の奥を指差した。そこにはグリーンのゲソをしたボーイが1人。
(あの人、どっかで見たことある気がする)
ボクはメガネを拭いてかけ直した。
(あ、グローブチームのチャージャーだ)
名前は確か、
「ブロウだ」
「はひぃ!」
突然真横から声をかけられ変な声が出てしまった。
「お前はブルーチームのメガネだろ」
「あ、はい。そうです」
返事はしたが返答はない。ブロウはボクをじっ、と見てまたブキを見に行ってしまう。
「ボ、ボクも!」
ブロウの隣にたち新作を見る。パブロやホクサイの新作は出ていなかった。ボクが落ち込んでいるのを見越してか、
「筆がないのに何故来たんだ」
と声を掛けてきた。
「練習が無くなったんだよ」
暇だから見に来たんだ。と付け加えておいた。
「ふーん...」
「そっちはどうしたんだよ」
ボクはブロウをよく知らない。ただ、つかみにくいヤツだ、とは思っている。
「別になんとなくだ。」
ブロウはそういうとブキを棚に戻し店を出ようとする。
「おい、メガネこっち来い」
ボクはとりあえずブロウに着いていく。
「ブロウ。何か用?」
ボクの前に一枚の紙が現れる。
紙には数桁の数字。
一瞬、機能が止まっていた頭をフル回転させて、ブロウがボクとフレンドになろうとしていることに気づいた。
「あ、わかった。ちょっと待ってね」
バックからイカフォを取りだし、フレンドコードを入力する。
「出来たかな?ブロウの方出来てる?」
ブロウは小さくうなずいた。
(する事なくなったあとの静かさ。ボク嫌いなんだよな)
ボクとブロウは今、スクエア内の椅子に座っている。する事もなくなり一緒にいる意味はないのだが、こちらから声をかけるのは少々、気が引ける。
ポロン♪
イカフォをみるとブロウからメッセージが来たようだ。目の前にいるんだから口を使えばいいものを。
[このあと何もないのか]
内容も普通のことだし。
[特に予定はないよ。ブロウはどうなの?]
突然ブロウが立ち上がった。
「わっ!」
「ついてこい」
ほんとブロウって何考えてるのか分かんない。



ブロウが向かったのは試しうち場。昼間なのにボクたち意以外イカがいなかった。
ブロウは貸し出し用のスプラスコープを手に取るとボクにはホクサイを渡してきた。
「今からお前はここを走り回れ」
「ハイッ!?」
早く、とでもいうかのように試しうち場の奥を指す。
(もう、なんなんだよ。走ればいいんだろ!)
ボクはやけになって試しうち場を走り回る。どうやらブロウはエイムの練習をしたかったようで、一瞬にして撃ち抜かれた。



キルされて復活までの時間があるとしても30分も走り回ると息が上がってしまう。
「ぶ、ブロウ。一回ストップ...」
ブロウはというとほとんど息が上がっていない。ほとんど動いてないのだから当たり前か。
「あのさ、さっきからボクばっかり走らされてるんだけど。ボクも練習したいんだよね」
せっかくスクエアに来たんだ。少しは練習がしたい。
「そうか。」
ブロウは一言、そう言うとチャージャーを片付け始めた。
「え、ちょっと!ボクの練習には付き合ってくれないの?」
ーーはぁ
漫画のようなため息をつかれた。
「何をすればいい」
「え?」
「練習するんだろ。何をすればいいんだ」
あ、付き合ってくれるんだ。
「ええっとじゃあ、今度はボクがキルしに行くから、ブロウはキルされないように逃げてくれる?」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ