迷い人

□お願いします
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イゾウ「騒がしい奴等ばっかで疲れただろう?

そのうち収まると思うが、しばらくは騒がしいと思う。」



と、船の案内をしながら苦笑いしたイゾウは言う。



「いえ、みなさん優しそうな方々でよかったです!」


イゾウ「そうかい、それならよかったが...」



イゾウは言葉を止め、なにか考え出した。



イゾウ「...急に異世界になんか来ちまって不安だろ?

本来まだ親元にいるはずの娘が、こんな危険な世界に飛ばされるとはな...」



ん......?




「あの...親元にいるはずのって、?




こちらでは何歳からが成人なんですか?」




イゾウ「ん?だいたい親元を巣立つのが18くらいか?

早い奴らは、親元を離れるしかなかった奴らだろう。」



イゾウはなんでそんなことを聞くのだろうか、という顔をして答える。





「えっと、いや、あの、わたし25歳なんですけど...」






イゾウ「......は?」





「25歳です。」



はい、

神崎 沙羅 25歳。
先月誕生日を迎えました。




イゾウ「うそだろ、


16くらいかと思ってたんだが...」





...いや、若すぎ!

わたしJKじゃん!



確かに日本人は若く見られがちですけど...




イゾウ「...ああ、すまない、ちょっと動揺してしまって、」



と言いながら未だに動揺しているイゾウ。




イゾウ「ちょっと、残りの船の案内は後回しにして、マルコのところに行こうか、」



「?はい。」




イゾウが動揺しているとは思っていないサラは、素直に提案に頷く。



16番隊隊長をしているだけあり、ポーカーフェイスが上手い。

いや、彼の場合、隊長をしていないとしても上手いと思うが...



「マルコさんになにかご用事があるんですか?」


イゾウ「あぁ。俺達は間違った捉え方をしていたようでねぇ、」




とりあえず、マルコに報告して、動揺していることを悟られないようにしよう。
と、イゾウは考えていた


一方、サラは
なにがあったんだろう?
と、呑気に考えているのであった。
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