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□マネージャー
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昨日山田と話したことを思い出しながら大ちゃんとの雑誌の取材に答えていく。
横目で、マネージャーを確認しながらタイミングを見計らっていたら
『なんで、マネージャーのことチラチラ見てるの?』
「えっ…?」
不意に大ちゃんの声が聞こえてドキッとした。別にやましいことは何もないけど、きっとマネージャーに俺らの事を話すって教えると恥ずかしがるだろうから、出来れば内緒にしておきたい。
「別に気にして見てるわけじゃないよ?」
『そんな事ない!オレずっといのちゃんの事見てたもん。』
「俺のことずっと見てたの?笑。そんなに大好きなの?笑。」
『そっ、そーゆぅーことじゃない!もう、いいよっ!』
顔を真っ赤にしてブツブツ言いながら、大ちゃんが行ってしまった。
あぁーあ…。
早くマネージャーに話さなきゃ。
雑誌の取材が終わり、今日は大ちゃんのマネージャーさんにこのまま大ちゃん家に送ってもらう予定だったが…
【伊野尾さんは、事務所から呼ばれてるので事務所で降ろします。】
「えっ!?」
『えっ!?』
同じタイミングで、声が出てちょっと嬉しい…
『いのちゃん、何かしたの?』
「いや、何もしてない…。」
コソコソ後ろの席で喋ってたら、もう事務所の地下駐車場だった。
「行ってきます……。」
『待ってるからね。』
凄く不安そうな顔した大ちゃんを見ると、俺もちょっと不安になってきた。