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□俺の気持ち
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ar side

俺といのちゃんは、デビュー前から知ってる仲でJUMPになってからもしょっちゅう遊んでた。

そんな中、俺がある感情に気付いたのは最近のことで。
仕事仲間、親友って言葉じゃ片付けられないくらい、いのちゃんの事が好きだ。
雑誌の撮影とかで、カメラに向ける笑顔や、セクシーな表情とか俺だけに見せて欲しい…なんて、頭の中でグルグル考えてしまう。

いのちゃんの事をボーッと考えていたら、そのいのちゃんに後から囁くように話し掛けられてドキっとした。

"仕事終わったら、時間ある?大ちゃんに会わせたいやつがいるんだよ"


えっ……なにそれ。
誰のこと?俺の知らない奴ってこと?

最初は、いのちゃんの息が耳に掛かってドキドキしたけど、今は得体の知れない奴の事が気になり胸が苦しい。

黙ってると、心配そうにのぞき込んで俺の名前を呼ぶ。

「あぁ…、大丈夫だよ。」

少し適当な返事になったけど、いのちゃんは嬉しそうに楽屋に戻って行った。

撮影は順調に進んだが、俺はずっとこれから会わなくてはならない奴の事を考えてた。

そりゃお互いに恋人が居た時期もあった。けど、わざわざ紹介なんてしたことが無い。
コソッと言ってくるってことは、やっぱりいのちゃんは大切に思ってるんだろうな……。
俺、どんな反応すればいいの…?


あっという間に撮影は終了。
今は、マネージャーの車にいのちゃんと乗り帰っている途中。

ニコニコしてるいのちゃんを見ると、やっぱり好きだなぁー…と実感。

俺は覚悟を決めた!

いのちゃんが俺だけにに打ち明けてくれるんだ。
それだけで、俺はいのちゃんにとって特別な存在ってこと!

かなり強引に言い聞かせた。

いのちゃんのマンションもうすぐ着くって所で車が停まった。

あれ?もう目の前がマンションだって言うのに…。

"ちょっと歩こう?"

わけも分からずいのちゃんに付いて歩き出す。

すると、急に立ち止まって俺に言う。

"こいつだよ、紹介したかったの"

周りに人は誰も居なくて、いのちゃんの目線の先には1台の大きな車。
キョロキョロしてると、いのちゃんが困ったかのように

"車!買ったの。大ちゃんに1番に見せたくて"

えっ!車?!?!
ホントに車なの?!
会わせたいとか言うから、勝手に人間だと勘違いしてた……。

拍子抜けしてる俺をよそに、いのちゃんは助手席に乗ってと促してくる。

「よかった……」

ボソッと本音が出てしまったが、いのちゃんはそれを気に止めもせず、車を発進させる。

"もっと驚くと思ったのになぁー…"

リアクションの低い俺に向かって、笑いながら話しかける。

十分驚いたよ!
でも今は安心して、運転している横顔を見ていられる。

車の話をしながら笑い合う。
ドライブデートかのような雰囲気に、やっぱりいのちゃんの事が好きだな!と実感した。

そんな気持ちを抱いてるなんて、まだまだ伝えれないけどね!笑


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