* 長編 キミだから好きなんだ【完】

□キミだから好きなんだ30
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side yuuri



3月1日 卒業式



父『今日はいい天気になってよかったなぁ』

 「そうだね。昨日天気悪かったからね」


とうとうこの日が来てしまった。

3年間通ったこの通学路をパパとふたりで

歩く。

パパは私の卒業式に出席するために

アメリカから来てくれた。


父『夢莉ももう…大学生になるんだな』

 「合格してたらね」

父『大丈夫!合格してるさ、きっと』

 「フフッ…うん」


パパはいつも私を元気づけてくれる。


父『ふぅ…』

 「どうしたの?溜め息なんてついて」

父『…つい最近までまだまだ子供だったのにな、、どんどん大人になっていくのが少し寂しくてな…ははっ…』


パパは少し寂しそうな顔をして笑ってた。


 「私なんてまだまだ子供だよ?」


許されるなら大人になんてなりたくない。

ずっと子供のままでいたいなんて

思ってしまう私はやっぱりまだまだ子供で。

これから先、

私は一体どんな人生を歩むのかな…





しばらく歩くと真っ直ぐ伸びた道の先に

校門が見えてきた。

そこには、

 "卒業式"

と書かれた看板が立て掛けられていた。



今日私は、たくさん思い出が詰まった

この学校から卒業する。
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