* 長編 キミだから好きなんだ【完】
□キミだから好きなんだ14
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「お前、、、人を苛立たせる天才やな…」
怒りで拳が震えてくる。
岡田はあたしが怒るとわかってて
言ってるのだろう。
昨日のクリスマスパーティの時も、
あたしの家に夢莉がいる時の電話や
LINEも…
今思えば全部全部、
あたしを苛つかせる為に?
岡『ちょっと先生こわ〜い!生徒をそんな怖い目で睨まないでくださいよ〜w 』
「夢莉に指1本でも触れてみ?絶対、許さへんで」
岡『夢莉?、、、やっぱりふたりの時はそう呼んでるんですね。みんなの前では『太田』って呼ぶのに。ふたりの秘密ってやつですか?ラブラブなんですね。ちょっと妬けちゃうなぁ…』
「いつもと随分キャラが違うな。今のお前が本来の姿か?」
岡『いやだなぁ〜普段の真面目な私も、今の私もぜ〜んぶ引っくるめて私ですよ♪』
「どうだか、、で?、結局あたしに何が言いたいん?」
岡『単刀直入に言いますね。ゆーりちゃんの気持ちに答える事ができないならもう係わらないでください。先生が優しくする度にゆーりちゃんは期待するから…』
岡『前から先生にムカついてたんです。ゆーりちゃんの気持ち知ってるくせに気づかないフリして。でもたまに優しくしてゆーりちゃんの気持ちを繋ぎ止めてる…先生ってズルくて残酷な人ですよね。』
岡『私、何でも努力して手に入れてきたんです。勉強とか人からの信頼とか。ゆーりちゃんと仲良くなるためにもたくさん努力しました。』
岡『だから絶対ゆーりちゃんは渡しませんよ。手に入れる為だったら何だってします。どれだけズルいことだって。』
岡『あっ!でもマンガみたいに周りに先生とゆーりちゃんの事チクったりはしないんでそこは安心してください♪だってそんな事したらゆーりちゃんが可哀想だから』
岡『それじゃあそろそろ帰ります。ゆーりちゃんと何か進展あったら先生にも教えてあげますね♪それじゃ』
クソッ
「あああっ!!」 ガンッ
壁を殴った拳から血が流れるのを感じた。
悔しいけど何も言い返せなかった。
岡田の言う通りだったから。
あたしは夢莉を苦しめてるだけだ。
大事なものを手に入れる事は、
同時に失う怖さも手にする。
あたしはもう失うのが怖いんだ。
もしキミを失う事があるとしたら、、
もう生きていけない…
だから手にしちゃいけないんだ…
あたしはキミを…
愛してはいけない。