* 長編 キミだから好きなんだ【完】

□キミだから好きなんだ2
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side yuuri





昼休みはクラスメイトで隣りの席の

井尻晏菜と昼ご飯を食べるのが日課に

なっている。

今日は井尻さんの提案で久しぶりに屋上で

食べることにした。

風は少し冷たいけど昼間だから日差しが

暖かくてちょうどいい。

通学途中にあるコンビニで買った新発売の

チョコミント蒸しパンをひとかじり。

うん、予想以上に美味!



井『あーあ、今日も授業終わったら予備校にいかなあかんのかぁ。もうこの勉強地獄から抜け出したいわー自由がほしい!』

 「わかりみが深い・・・」

井『あなたはなんだかんだ言って頭良いからいいじゃない!こんな美少女で頭良いとか強すぎ!神様ってほんと不平等!』

 「全然そんなことないし。私なんてただのゴミだ…」

井『自分の事をゴミとか言うなし』

 「じゃあ…生ゴミ」

井『同じw』



こんなバカな会話してるけど、内心みんな

かなりピリピリしてる。

もうすぐ12月。

世間はクリスマスムードまっしぐらで

浮かれているというのに、高3である私達は

1月のセンター試験に向けて死に物狂いに

なって勉強するのだ。

もちろん正月休みなんてない。


井『ところでさー、、、山本先生とはどうなの?』

 「…どうって?」

井『もう3月で卒業なんだよ?自分の気持ち伝えなくていいの?』

 「…今は受験に集中したい。そんな事考えてる場合やないから」

井『そっか…』


それ以降は何も聞かないでいてくれた。

私が山本先生に想いを寄せてることを

知ってるのは井尻さんだけだ。

自分から話した訳じゃない。

知られてしまったという方が正しい。
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