* 長編 キミだから好きなんだ【完】
□キミだから好きなんだ2
1ページ/4ページ
side yuuri
昼休みはクラスメイトで隣りの席の
井尻晏菜と昼ご飯を食べるのが日課に
なっている。
今日は井尻さんの提案で久しぶりに屋上で
食べることにした。
風は少し冷たいけど昼間だから日差しが
暖かくてちょうどいい。
通学途中にあるコンビニで買った新発売の
チョコミント蒸しパンをひとかじり。
うん、予想以上に美味!
井『あーあ、今日も授業終わったら予備校にいかなあかんのかぁ。もうこの勉強地獄から抜け出したいわー自由がほしい!』
「わかりみが深い・・・」
井『あなたはなんだかんだ言って頭良いからいいじゃない!こんな美少女で頭良いとか強すぎ!神様ってほんと不平等!』
「全然そんなことないし。私なんてただのゴミだ…」
井『自分の事をゴミとか言うなし』
「じゃあ…生ゴミ」
井『同じw』
こんなバカな会話してるけど、内心みんな
かなりピリピリしてる。
もうすぐ12月。
世間はクリスマスムードまっしぐらで
浮かれているというのに、高3である私達は
1月のセンター試験に向けて死に物狂いに
なって勉強するのだ。
もちろん正月休みなんてない。
井『ところでさー、、、山本先生とはどうなの?』
「…どうって?」
井『もう3月で卒業なんだよ?自分の気持ち伝えなくていいの?』
「…今は受験に集中したい。そんな事考えてる場合やないから」
井『そっか…』
それ以降は何も聞かないでいてくれた。
私が山本先生に想いを寄せてることを
知ってるのは井尻さんだけだ。
自分から話した訳じゃない。
知られてしまったという方が正しい。