* 長編 キミだから好きなんだ【完】

□キミだから好きなんだ5
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side sayaka



 「落ち着いた?立てるか?」


 『はい、、助けていただいて…ありがとうございました…』



あれからしばらく少女を抱きしめていたけど

体の震えも治まったようで安心した。


 「親に連絡しようか。携帯持ってる?ないなら貸すで?あと警察にも通報した方が、」

 『大丈夫です。親に心配かけたくないし…』

 「え…でも、」

 『ほんとに大丈夫なので…』


俯きながら話す少女に何て声を掛けたら

いいのかわからない。

こんな怖い思いしたのに親に言わないなんて

普通じゃない気がした。

でもあたしと少女はついさっきまで見知らぬ

他人だったわけで…

あまり深入りしてはいけないよな…

でも、どうするべきか…



 『今日…お姉さんの家に泊めて貰えませんか?』

 「あ、あたしの家に?」

 『、、やっぱり…無理ですよね…』


あまりに突拍子もない事を言われて

固まった…

もしかしてこの子、家出少女か?


 「、、」


少女と見つめ合う。

そんな仔犬のような瞳で見つめられてもな…

でもここであたしが断ったらこの少女は

どこへ行くのだろう。

そう思ったら、

放っておく事ができなかった。



 
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