* 長編 キミだから好きなんだ【完】

□キミだから好きなんだ7
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side yuuri



 "さや姉〜もうサッカー疲れたよぉ休憩していい?"

 "アホか。まだ始まったばかりやろ。真面目にやらんと成績下がるで〜あと山本先生って呼びなさいっていつも言うてるやろ"

 "さや姉のケチー!"

 "ハァ…いいから早よ戻れ"



今は体育の時間。

私のチームは試合を終えて休憩中だ。

山本先生は一部の生徒から『さや姉』と

呼ばれてる。

アカリンこと吉田先生からそう呼ばれてる

のを生徒が聞いて、それから広まった。



井『太田氏』

 「なに?」

井『ただ見てるだけじゃなくてあの子らみたいに話しかけてこればいいのに』

 「別にそんなの望んでない」

井『強がっちゃって〜』

 『ね〜何の話してるの?』

 「お〜奈々ちゃん」

井『山本先生って生徒と仲良しだよね〜って話してた』

岡『確かに!若いからあまり先生って感じしなくて話しやすいもんね!』

井『それな!』

岡『吉田先生と親友だったんでしょ?親友と同じ高校で先生してるって凄いよね!』

井『ね!軽音部で生徒会長しててモテモテだったって聞いた』

岡『それはヤバい!!』

井『文化祭で披露してほしかったよなぁ』

岡『そうそう!あの噂は何だったのかなぁ?』


文化祭では毎年先生たちが何かしらの

パフォーマンスをするのだが、

どこから出た情報なのかわからないけど、

今年は山本先生率いるさや姉バンドを

結成して披露するらしいと噂になって

いたのだ。

しかし実際は先生たちによるバブリーダンス

だった…まぁあれはあれでめちゃくちゃ

ウケてたけど。


岡『今度ギター弾いてくださいってお願いしてみようかな!』

井『いーね!夢莉もそう思うよね?』

 「うん…まぁ…」



実は一度だけギターを弾いてくれた事が

あった。

ほんとに上手で私もこんな風に弾けるように

なりたいと思って少し教えて貰ったけど、

Fコードがどうしても押さえる事が

できなくて挫折したんだ。
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