* 長編 キミだから好きなんだ【完】
□キミだから好きなんだ9
1ページ/6ページ
side yuuri
次の日は、アカリンと買い物に行った。
ついマンガやアニメグッズに目がいって
しまう私にアカリンはもっと女子力
上げなさい!と服やコスメを選んでくれた。
しばらく勉強漬けで出掛ける事が全く
なかったからとてもリフレッシュできた
気がする。
アカリンとも別れて家に戻った。
玄関から長い廊下を通ってリビングに入ると
すぐ左側にキッチンがある。
ここでママが倒れてたんだ。
2年半たった今でも鮮明に覚えてる。
自分でこの家に残ると決めたはずのに、
毎日ここを通るのが憂鬱になる。
この空間にいることが苦痛で狂いそうに
なる。
でもいつか、平気になる時が来るのかな…
そんな時が来るのを怖いと思った。
ママの死を忘れてしまうようで。
仏壇に目をやると、ブリザードフラワーの
仏花が供えられていた。
パパが供えてくれたんだ。
天国にいるママが喜んでくれてるといいな…
そんなことを考えながら仏壇に飾られた
ママの写真を眺めていた。