* 長編 キミだから好きなんだ【完】

□キミだから好きなんだ9
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side yuuri



次の日は、アカリンと買い物に行った。

ついマンガやアニメグッズに目がいって

しまう私にアカリンはもっと女子力

上げなさい!と服やコスメを選んでくれた。

しばらく勉強漬けで出掛ける事が全く

なかったからとてもリフレッシュできた

気がする。






アカリンとも別れて家に戻った。

玄関から長い廊下を通ってリビングに入ると

すぐ左側にキッチンがある。

ここでママが倒れてたんだ。

2年半たった今でも鮮明に覚えてる。

自分でこの家に残ると決めたはずのに、

毎日ここを通るのが憂鬱になる。

この空間にいることが苦痛で狂いそうに

なる。

でもいつか、平気になる時が来るのかな…

そんな時が来るのを怖いと思った。

ママの死を忘れてしまうようで。



仏壇に目をやると、ブリザードフラワーの

仏花が供えられていた。

パパが供えてくれたんだ。

天国にいるママが喜んでくれてるといいな…

そんなことを考えながら仏壇に飾られた

ママの写真を眺めていた。

 
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