* 短編

□赤い瞳に恋をして
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今日の劇場公演も盛り上がって楽しか

ったなぁ♪

お風呂にも入ったし明日も公演がある

からすぐに寝よう。

部屋の電気を消してベッドに潜り込む。

私はいつも寝る前に手を合わせてお願

い事をする。

そしてすぐに夢の中へ…



ギシッ


ベッドが軋む音で目が覚めた。

辺りはまだ暗い。

私の目の前には…

月明かりで照らされた蒼白い顔

牙を剥き出しにした

赤い瞳の

彩さんがいた。


夢「うわぁ!彩さん!こんな遅くにどうしたんですか?」


ド『彩?私はそんな名前ではない』


夢「えっ?じゃあどなたですか?」


ド『私の名はドラキュラだ』


夢「は?」


ド『だから、私の名はドラキュラ!』


夢「プッ…あはははははは」


ド『何を笑っている!?』


夢「こんな夜中に冗談よしてくださいよw」


とりあえずベッドから起きて電気をつ

けようとした時


ド『おい!電気はつけるな!』


夢「えっ?何でですか?せっかく彩さんが来たんだから電気つけますよ」


ド『だから、私は彩ではないと言ってるだろ!』


手首を捕まれベッドに押し倒された。

両手を押さえられ彩さんの顔が私の目

の前に…


夢「あ、あの…ほんとに彩さんやないんですか?」


ド『そうだ。私はバンパイア。お前の血を吸いに来たのだ』


夢「・・・・」


ド『何も心配することはない。初めはチクッとするがすぐに慣れてきて気持ちよくなるから安心しなさい。さあ、首筋を』


夢「マジっすかあああああ!!」


ド『え?』


夢「本物のバンパイア!?えっえっ
マジで!?夢じゃないよね?」


ド『・・・・』


夢「うわぁ〜私ずっとバンパイアになりたいって思ってて!不死身の体って格好いいじゃないですか〜」


ド『は、はぁ…』


夢「小学生の頃、『吸血鬼ドラキュラ』っていう小説にハマってもう何回も何回も読みました!」


ド『お、おん…』


夢「七夕の短冊にも吸血鬼になれますようにって書いたことあるんですよ!みんなにはバカにされたけど」


ド『・・・・』


夢「うわぁーとうとう私もバンパイアになれるんですね!ドキがむねむね〜!!」


ド『・・・・』


夢「その牙で私の首筋をガブッとするんですよね〜あぁ楽しみで震える〜♪大丈夫です! 
 私痛いの得意なので!
さあどうぞガブッと行っちゃってください!!」



ド『やりづらいんじゃ!!』
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