* 短編

□赤い瞳に恋をして
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ガシッ

ド『やっぱ待った!!』


あと少しで牙が刺さるところでドラ

キュラがモモキュラの肩を掴んだ。


モ『なんだよドラキュラ!今更やめるなんてないよな?』


ド『ごめん。やっぱあたしがやる』


夢『えっ…でもいいんですか?』


モ『それはないわ〜こっちの興奮どうしてくれんねん!』


ド『それはほんまにごめん!今度お前が大好きな赤ワインたくさん持っていくからさ!勘弁してくれ』


モ『・・・しゃーないなぁ赤ワイン10本だからな!』


ド『マジか…了解』


モモキュラはコウモリの姿になってど

こか飛んでいってしまった。


夢「あの…どうして止めたんですか?」


ド『だって…お前が泣いてたから…』


夢「えっ?」


全然気づかなかった…私いつの間に


ド『なんで泣いてたん?お前バンパイアになりたいんやろ?』


夢「自分でもわからないけど…どうせ吸われるならドラキュラさんがよかったって思ったんです」


ド『・・・』


夢「でも駄目ですもんね。せっかくのチャンスだったけど諦めます」


ド『駄目やない。』


夢「えっ?」


ド『あたしが吸ったるわ』


ベッドに優しく押し倒された

ふたりで見つめ合う

月明かりに照らされたドラキュラは

ほんとに彩さんそっくりで

この赤い瞳に吸い込まれそう

髪の毛を撫でられ、その手がだんだん

下へ行き首筋に触れた



ド『まずは消毒するな』


ペロペロと首筋を舐められる

消毒という名の愛撫に

私はおかしくなりそうだ



ペロ ペロ ペロ ペロ ペロ…


それにしても長くないか?



夢「あ、あの…いつまで舐めるんですか?」


 『あっ起きちゃった?』


夢「え?」


目の前にはドラキュラ…ではなく彩さ

んがいた。

さっきまで暗かったはずの部屋は明る

くなっていた。


彩『おはよ!鍵で入ってきちゃった』


夢「全然いいんですけど、さっき首筋舐めてましたよね?」


彩『バレた?だって首筋がセクシーやったんやもん』


夢「朝から盛らないで下さいよ」


彩『まだ全然足りてへんよ?』


夢「え? んっ」


彩さんにキスされ朝からたくさん愛さ

れた


全部夢だったんだ

結局、私はまだバンパイアになれてい

ない

でもこれからも毎晩願うんだ

彩さんそっくりなドラキュラが来てく

れることを
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