* 短編

□いつか
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夢『私たち、、やっぱり先輩と後輩の関係に戻りましょ?』


 「、、えっ?、、冗談やろ?」


夢『本気です。ずっと考えてました。彩さんは私のことなんて好きじゃないんですよ、、好きって言ってくれたこともなかったし、、ずっと寂しかった…』


 「夢莉…」


夢『私が寂しい時、いつも彩さんは側にいてくれなかった…彩さんからの来ない連絡を待つ生活に疲れちゃいました…もう限界です…別れてください』



夢莉に振られた。

何も言い返せなかった。

夢莉から告白されてあたしたちは

付き合い始めた。

夢莉の事はちゃんと好きだったと思う

でも恥ずかしさから言葉にして伝える

ことは出来ないでいた。


あたしの休みは一年中ほとんどと言っ

ていいほどない。

付き合い初めはあたしもたくさん電話

やLINEをしたし、夢莉もしてくれた。

でも、仕事や曲作りに集中したいあた

しはだんだん夢莉の事を考えられなく

なった。

忙しい中、夢莉から連絡が来るのを

だんだん鬱陶しく思うようになって、

痺れを切らしたあたしは、連絡できる

時はこっちからするから連絡してこな

いように頼んだ。

振られても仕方ないよな…

でもこの時のあたしは夢莉の事をどう

思っているのかわからなくなっていた

んだ。










今度、あるテレビ番組内で夏休みの

宿題と題してあたしはギターの弾き語

りをすることになった。


名曲の『歌うたいのバラッド』


番組内ではギター演奏は何度もした

ことあったけど、たったひとりで

ギターの弾き語りをするのは初めて

だった。

しかもこんな名曲をキャストと大勢の

観客の前で歌うなんて、、

これは絶対に失敗できない。

あたしは心にぽっかり空いた穴を

埋めるように練習に没頭した。
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