* 短編

□いつか
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 「、、ええよ」


夢莉があたしの唄を聞いてくれる。

すごく緊張するけどそれ以上に嬉しい








傷つきながらもがきながら

僕たちは明日という日を

夢見て生きていく





夢莉は一体どんな気持ちであたしの

唄を聞いてくれてるのだろう。

あたしは超能力者じゃないからわかる

はずもない。

でも知りたいんだ。

夢莉の中にまだあたしは居るのかを。

どうか教えてほしい。

そんな事を思いながらあたしは

この気持ちが届くように夢莉を

見つめながらひたすら唄った。








いつか又どうしょうもなく寂しく

なったその時は

何処にいても何をしてても駆けつけて

あげるから

ありふれてる言葉なんて捨て去って

しまおう

何も要らない あなたがいる

それだけが僕の全て

不安を抱き悲しみに打たれ

信じることに挫けそうになっても

あなたを想い唄い続けていく

それだけが僕の全て





目の前の夢莉は泣いていた。

唄い終わったと同時に溢れてくる

感情を抑えることができなくて

あたしはギターを抱えたまま

夢莉を抱きしめた。



 「ずっと言えなかったけど、、、
あたしは夢莉のこと愛してる」


 「今度こそ夢莉が寂しい時、何処にいても駆け付けてあげるから、、、
だからまたあたしの側におってくれんかな?」


夢莉はあたしの腕の中で小さく

『はい』と言ってくれた。







ー 本番当日 ー



すごく緊張している。

でもたくさん練習したしやれることは

やった。

それに今のあたしには心の支えに

なってくれる人がいる。

あたしは今日もあなたを想いながら

唄う。

スポットライトで照らされた

ステージへ今、歩き出した。
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