* 長編 love triangle

□love triangle4
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side yuuri



入学してあっという間に2ヶ月が経った。

制服は冬服から夏服に衣替えした。

少しずつだけど、この学校にもクラスにも

慣れてきたと思う。

梓以外にも何人か話せる友達もできて、

それなりに楽しく過ごせていた。



それはいいのだけど、、



今、私は猛烈に頭にきていた。


意味不明に始まった "かくれんぼ" に

付き合わされて校内中を駆け回りアイツを

探してるから。


 「あ〜もう!どこ行ったの!」


こんな広い校舎でヒントもないのでは

全然見つけられなくて。

まず、どうしてこんな事させられてるのか

本当に意味わかんない、、

そんな状況にとにかく物凄くイライラ

していた。



私と梓の嫌な予感は的中したのだ。


美化委員の仕事は地味に多い。

各クラスから出るゴミの分別チェック、

トイレの備品補充、花壇の世話、学校周辺の

清掃など…

活動回数も他の委員会より明らかに多いし、

はっきり言って誰もやりたがらない面倒な

仕事ばかりだ。



山本さんは美化委員の仕事を全くせずに

全て私に丸投げ状態だった。

そんな状況が先日ついにバレて、美化委員

顧問の吉田先生と担任の渡辺先生から

こっぴどく叱られた。

山本さんは叱られて当然だけど、なぜか

私まで叱られたのだ。

クラスメイトのあなたが一緒に連れて

行かないから悪いとか、ひとりで仕事

をしてしまうからいけないだとか…

あまりに理不尽な事で叱られて、人に対して

怒りの感情なんて余程持たない私だけど、

今回に関しては山本さんに対して完全に

怒っていた。

別に好きで山本さんを置いて自分だけ活動

していた訳ではない。

活動時間になると山本さんがいつの間にか

どこかに消えてしまうのだ。

声掛けだってちゃんとしてたのに…

そんな状況でどうやって一緒に活動しろって

言うんだ…




ただでさえいい気分じゃなかったのに、

先生が教室を出て行った後の山本さんの

態度が余計私を怒らせた。

この時の私は多分顔に怒りが表れて

いたんだと思う。

そんな私に、



彩『プッw 怒ってるやろ?なんにも悪くないのに一緒に叱られてやんのw ダッサ!』


 「…はぁ?」


謝ってくると思ってたのに、、

普通は謝るよね??

まさかの態度過ぎてカチンときてしまった。


彩『うおっ!こわ〜w 』


 「あのさ、一体誰のせいで叱られたと思ってるの!?」


彩『え〜?知らん。誰?』


わざとらしくおどけた顔をされて余計

腹が立つ。


 「はぁ!?山本さんがちゃんと活動しないから叱られたんやろ!?」


彩『そんなん知らんし。お前がバレないように活動しなかったから悪いやん。勘弁してや。謝ってほしいわ』


 「なんで私が謝らなきゃいけないの!?意味わかんない!」


本当にありえない。

私がこんなに真剣に怒ってるのになぜか

ずっとうっすら笑ってるし。

入学して間もない頃はこの笑顔に少し

ドキドキしてたけど、最近は全くしなく

なった。

山本さんは私に対してすごく意地悪だから。


 「とにかく!今から一緒にやってもらうから!」


さっき吉田先生から罰として朝と放課後に

1週間連続で花壇の水やりと草取りを

二人でやるよう言われたのだ。

どうして私まで罰を受けなきゃならないのか

本当に納得いかないけど、今までずっと

見逃してきたのが間違いだったんだ。

今日という今日はもう絶対、逃がさないん

だから。




彩『わかった。やるわ』


 「、、え?」


どうせ文句言ってくるだろう。

そう思ってたのに、さっきまでのやり取り

からはとてもじゃないけど想像できない

返答が返ってきて驚いていると、山本さんは

言った。


彩『お前があたしの隠れ場所を見つけることができたらな♪』
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