* 長編 love triangle

□love triangle13
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side yuuri



ザーーーーッ


母『早く梅雨明けしてほしいわぁ』


リビングでママと洗濯物を畳む。

確かにこうも雨が続くと洗濯物が乾かなくて

大変だ。


「そういえばさ、去年ママと一緒に行った星を見る会って行事覚えてる?」


母『あぁペルセウス座流星群をみんなで見るやつやんな。覚えてるよ〜すごく綺麗やったなぁ』


 「あれさ、今年は私も生徒会の補助で参加する事になったんだ!」


母『へぇ〜そうなんや!それじゃあ今年は一緒に参加できへんなぁ』


 「そうなんだよね…」


また一緒に参加しようねとママと約束

していたけど、今年は無理だった。


母『去年の今頃は色々あったけど、今はどう?学校楽しい?』


 「うん!クラスにもだいぶ慣れたしみんな仲良くしてくれるから楽しいよ」


母『そうか。それならよかった』


ママはすごく安心したようだった。

去年の今頃は女子全員から無視されて

学校に行くのが本当に辛かった。

だから余計に今の平穏な毎日が凄く

幸せに感じていた。








ー次の日ー



今日は放課後に委員会の仕事があるのに

彩さんがいつの間にか行方不明だ。


 「梓、彩さんどこ行ったか知らない?」


梓『またお呼ばれしてたで〜今度は隣りのクラスの村山さん』


 「え、知ってる!すごい可愛い子だよね?」


梓『そうそう。彩さんもさすがやわ。でもまぁ絶対OKしないと思うけど…』


 「……何でそんな事わかるの?」


梓『え?、あっ、それは、、』


 「もしかして…彩さん好きな人がいるとか?」


梓『そ、それはどうかなぁ〜?w あたしの口からは何も言えないなぁ』


めちゃくちゃ怪しすぎる。

誤魔化し笑いしてるしさっきは明らかに

動揺した様子だった。

絶対何か知ってる。


 「絶対知ってるでしょ!何で梓だけ知ってるの?!私にも教えてよ!」


彩さんにもし好きな人がいるとしたら

すっごく気になる。

私の好きな人は知られてるのだから

私にだって教えてくれていいはずだ。


梓『そんなに気になるなら本人に聞いてみな?』


 「うん!聞いてみる」




梓と別れてから適当に廊下を歩いて

彩さんを探していると、空き教室に

彩さんと村山さんの姿を見つけた。


 『山本さん…よかったら私と付き合ってもらえませんか?』


わっ、、本当に告白されてる…

告白現場なんて初めて目撃したからか

なぜかこっちまで緊張してきた…



彩『ごめん…気持ちはありがたいけど…君の事あまり知らんから…』


梓の言う通り彩さんは断っていた。

村山さんすごく可愛いのに…


 『それじゃあ友達からでも駄目ですか?』


彩『うーん、、、それでもごめん』


 『好きな人でもいるんですか?』


彩『うん。まぁ…』


やっぱり好きな人いるんだ!

これは絶対教えて貰わなきゃな。


 『そうですか、、わかりました…』


そう言って村山さんは教室から出ていった。




 「最近モテモテだね〜♪」


教室の引き戸から顔を出して話し掛けると、

彩さんはビクッと肩を上げた。


彩『っ、夢莉!もしかして覗いてたん?勘弁してや!』


 「そんな趣味悪くないからw たまたま見ちゃったの!(ほんとは覗いてたけど…)』


とりあえず委員会の仕事を終わらせよう。

その後絶対聞き出してやるんだ。



今日は各教室に置いてある掃除道具入れの

備品チェックをする。

彩さんが道具入れの中を見て、私が

チェックシートに記入していく。

そんなに時間がかかる事じゃないから

すぐに終わらせることができた。


彩『よっしゃ!終わった〜♪』


 「お疲れ様〜」


彩『お疲れ〜』


うーん、、

彩さんの好きな人を聞き出そうにも、

どうやって聞けばいいのだろう?

何かきっかけがあればいいんだけど…


そんな事を考えながら二人で下駄箱に

向かうと、



ザザーーーーッ!


彩『すごい雨やな…』


 「ほんとに…」


二人とも呆然としてしまった。

まさにどしゃ降りの雨。

傘なんてもはや意味がないように思える程の

雨が降っていた。

でも私は丁度いいと思った。

彩さんを雨宿りに誘って、そこで色々

話してる内に好きな人を聞き出せるかも

しれないと思ったのだ。


 「彩さん、ちょっと雨宿りしてから帰らない?確か天気予報によるとだんだん雨弱まるはずだから」


彩『そうなん?』


 「うん」


本当は嘘だった。それなのに、


彩『…それならそうしようか』


私に微笑んでくれた彩さんに少し罪悪感を

感じた。
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