* 長編 キミだから好きなんだ【完】
□キミだから好きなんだ2
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上履きから靴に履き替え校舎を出る。
陽が落ちる時間が早くなってきた。
夕方ともなるとけっこう寒くて、
マフラー巻いて来ればよかったな……
私の足は自然と校門から少し逸れて
運動場へと向かう。
"あと1周ー!いいペースやでー!"
相変わらず大きくて透き通る声してる。
山本先生は陸上部の顧問。
先生の事を考えないようにしたいのに
私の中の操縦士はいつも言うことを聞かずに
ここまで足を動かす。
"すごいやん!めっちゃタイム上がったな!この調子で頑張ろな!"
キラキラした笑顔で頑張った生徒の頭を
ポンポンと撫でてる。
顔を赤くして照れてる生徒がちょっと
気になる。
山本先生はすごくモテるから。
○年○組の○○さんが山本先生に告白した
らしいとか噂話がよく流れてくる。
ここに入学してから感じた事は、
女子校だからなのか同性愛に偏見の
ない子が意外と多い。
ありえないという意見の子も、もちろん
いるけど。