* 長編 キミだから好きなんだ【完】

□キミだから好きなんだ5
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 『おじゃまします…』

 「どーぞ。適当に座って。」


結局連れてきてしまった…

あたし、誘拐犯にならんよな?!

ちょっと心配になってきた…



取り合えず体が冷えてるだろうから、

温かいココアでも作ろう。



ココアを両手に持ちリビングに行くと…

少女はまた泣いていた。




 「、、大丈夫?」

 『っ、ごめんなさい…もうどうしたらいいかわからなくて…』

 「…体冷えたやろ?温かいココア飲んだら暖まるから」


この涙はさっきの恐怖からなのか、

それとも違う何かが原因なのか。

両方なのかもしれないけど何となく、

少女は何かを抱えているような気がした。





 「そういえばまだ名前聞いてないよな。あたしは山本彩。あなたは?」

 『…太田夢莉です』

 「夢莉ちゃんか。歳は?」

夢『14です』

 「中2?」

夢『中3です。誕生日が12月なので…』

 「それじゃあもうすぐ15歳になるんやな。」


中3か…色々抱える年だ。

思春期真っ盛りだし、親とケンカでも

したのかもしれない。


 「いつもこんな時間までフラついてるの?」

夢『いえ、、今日だけです…』

 「家に帰りたくなかったとか?」

夢『、、』

 
少女は黙り込んでしまった。

ちょっと踏み込みすぎたかな…
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