* 長編 キミだから好きなんだ【完】

□キミだから好きなんだ10
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パーティの目玉であるプレゼント交換も

終わり、いつお開きにしようか考えていた時


 "ねぇねぇ。奈々先輩とゆーり先輩付き合ってる噂あるらしいよ"

 "それあたしも聞いた事ある!でもあの二人なら全然いいよね!美し過ぎる!"


生徒たちの噂さ話が聞こえた。

岡田と仲良くしてる事を嬉しく思ってたけど

付き合ってるとなると話は別というか…

複雑な気持ちになった。



二人の方をよくよく見ると、

岡田が夢莉の体をベタベタ触ってるのが

気になった。

夢莉も特に嫌がる素振りはない…

すると、

岡田がポッキーを口に食わえて夢莉に

何か言い始めた。

まさか…と思ったのも束の間、

岡田が夢莉の顔を手で挟んで自分の顔を

一気に近づけて行く。


 「っ、」


あのまま行ったらキスしてまうやん!!

と本気で焦った。

寸前で夢莉が顔をよけて回避したから

よかったけど、、



なんだかすごく腹が立つ…

これ以上あのふたりを一緒に居させるのは

危険だ。



パンパンッ


 「ハイ!じゃあもう今日はお開きしよ〜!」

 『え〜!まだいいじゃん!』

 「駄目!お開きお開き!さっさと帰る!」

 『さや姉こわーい。なんで怒ってるの?』

 「怒ってないわ。元々こんな顔や」


みんなで片付けをしてお開きにした。






 「それじゃあみんな気をつけて帰れよ〜」

 "はーい、先生さよなら〜♪"



岡『ゆーりちゃんまたLINEするね♪』

夢『うん!私もLINEするね!』


ふたりの会話がいちいち耳障りに感じる。


あたしと夢莉以外はみんな駅の方へ歩いて

行った。

先に歩いてたあたしの隣りに来るだろうと

思ってたのになぜか夢莉はなかなか来ない。

気になって後ろを見てみると、

あたしの5メートルほど後ろを歩いてた。



 「夢莉ー」


夢『…はい』


 「なんで後ろ歩くん?帰り道同じなんやから隣りおいで」


夢『いいんですか?』


 「いいに決まってるやん」


そう言うと顔がパッと明るくなって、

あたしの元へ走ってきた。




あたしはすごく自分勝手で我が儘だ。

キミを振っておいて

まだ自分だけを見ててほしい、

自分の事を好きでいてほしいと

願ってるんだから。
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