リクエスト小説

□君の願いは
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「え・・・どうゆうことだ・・・?」

朝早く全王に呼ばれた悟空は、目の前にいる2人の言葉に目を見開いた。

「悟空君は神様になるのに十分な力があるのね」

「神様になれば僕が会いたい時いつでも会えるのね」

「「だから悟空君に新しい宇宙の神様になってほしいのね」」

後ろではビルスとウイスが驚いた顔で立っている。

「で、でもさ、おらたぶん神様に向いてねぇぞ?」

「そんなことないよ」

「ビルスみたいな破壊神もいるよ」

「確かにそうだけど」

「おい、悟空。それはどうゆう意味だ」

「新しい宇宙の神様になったら何すればいいんだ?」

全王は顔を見合わせた後にこう言った。

「特に何もしなくていいよ」

「仕事があればウイスみたいな天使が教えてくれるよ。あとは自由なのね」

「そ、そっか。でも何の神様になるんだ?」

「創造神か破壊神なのね」

「界王神様かビルス様ってことか・・・んー」

悟空は顎に手を当てて考える。

「なってくれる?」

「なってくれるよね?」

「ん〜・・・」

「お願い!」

「お願〜い!」

(神様になってもどうってことねぇし、全ちゃんがこんなに言ってるからな)

「いいぞ!」

「「わ〜い!」」

「なに!?」

驚きの声を上げたのはビルスだった。

ダダダーッと悟空の横に走り寄る。

「お前、本気なのか!」

「何だよ、ビルス様。おら神様になっても何も問題起こさねぇぞ?」

「それも心配だがな!神になったら全ての記憶をなくすんだぞ!」

「・・・へ?」

「神になるということは、人間だった頃の記憶を消し去り新たに生まれ変わるということなんです」

「そ、そうなんか?」

ゆっくり浮いて来たウイスの言葉にビルスが頷く。

「僕は最初から破壊神だったから何ともないが、お前は人間から神になるんだ。人間の記憶は邪魔になる」

「じゃあ、みんなのことも忘れちまうっちゅーことか?」

「そうだ」

「チチと悟天、悟飯のことも?」

「ああ」

「クリリンとかじっちゃんのことも?」

「はい」

「ブルマも・・・ベジータも?」

「全部だと言っているだろう。人間としての記憶は全て消える」

「そんな・・・」

悟空は全王に向かって叫んだ。

「全ちゃん!おらやっぱ神様になりたくねぇ!」

「「え〜〜〜」」

「悟空はまだ未熟です。神に向いていません。せめて死んだ後にでも」

「やだやだ!僕は今がいいの!」

「ですが全王様、悟空さんは人間の記憶を消したくないと言っているんですよ」

「神様になればその記憶も消えちゃうのね!」

ビルスとウイスが説得しようとしても、手足をバタバタと動かし駄々をこねる全王。

「記憶が消えちゃうのは嫌だな。他に方法はねぇんか?ウイスさん」

「ないことはありません。人間の記憶を残したまま神になることもできます」

「ほんとか?!」

「ですが、その場合あなたが知っている人物は消滅してしまいます」

「え?」

「家族や仲間だけではない。第6宇宙のヒットやキャベもだ」

「な、何でだよ!」

ビルスは悟空を見つめ低い声で言った。

「神はな、他の神や自然、宇宙の存在は知っていてもおかしくない。だが人は接触しなければ永遠に知ることのない存在だ」

「だから、何だよ」

「成り上がりのお前が知る人物は、お前の記憶と下界に同時に存在してはならない。それが神の掟だ」

「てことは、おらが覚えてたらみんなは死んじまって、おらが忘れたらみんなは生きてられるってことか?」

「まぁ、簡単に言えばそうゆうことだ」

「ですが死ぬという言い方は正しくありませんねぇ」

「死ぬんじゃねぇんか?」

「消滅するんです。消滅とは、下界にはもちろん、天界や、どの世界からも消えるということですよ」

(未来のトランクスの宇宙が消えたみてぇに、全部なくなっちまうんか)

その光景を目の前にしたことのある悟空は、ごくりと唾を飲み込む。
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