トリップ先は探偵物漫画!?
□第四話
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ポアロへ向かう途中事件は起こった。
無言で歩いているのもいたたまれなくなり、何か話そうとした私は大失態を起こすのだった。
『えっと・・・沖矢さんはいつも家で何をしているんですか』
「あれ?自己紹介してないですよね・・・?どこかで会ったことありますか?」
自分を殴りたくなったよ。
やばいな自己紹介してなかった・・・
ひぃぃいぃいぃ
会ったことありますか?って聞いてるけど絶対あったことないしめっちゃ怪しまれてるでな・・・これ・・・・・
苦し紛れの言い訳をこの足りない頭で考えるのだった。
『あ、いや・・・人の名前を当てるのが得意なんですよ・・・あはは・・・・』
これ以上の言い訳はできなかった。
いっそのこと誰か眠らせてくれ〜
「ホォーそうなんですか、すごい特技ですね。さすがに私はそんな特技もっていないので、お名前を教えていただいても?」
なんとか逃げ切ることができたようだ。
『えっと・・・塚本・・・有一・・・です』
慌てすぎて本名を暴露する一歩手前で自分の服装を思い出した。
男装してたんだった・・・
あっぶね・・・
ナチュラルに男の子の声出してたからセーフ
そうだ・・・男の子だと思われてるだろうから振る舞いには気を付けないとな
すまない!弟よ!君の名前を借りるよ!
「ほぉーいい名前ですね、有一さん。」
キラリと眼鏡が光る。
『ありがとうございます・・・』
自分で自分の首を締めるとはまさにこれ。
どう考えても怪しまれてるしこの後コナン君にちくられそう。
なんて奴だ!赤井ッ!
「ポアロで何か食べるものは決まってますか?」
『ハムサンドを食べようかと・・・』
「美味しいらしいですね」
『そうみたいですね・・・』
全然会話が進まないや・・・
帰りたいな・・・
「そういえば有一さんはこの辺に住んでいるんですか?」
『ここからすぐのマンションに一人で住んでます』
「お一人ですか・・・。ご家族の方は?」
『僕以外の家族は交通事故で亡くなってるので一人なんですよ』
まぁ交通事故で死んだのは私なんだけどね
「一人だと大変じゃないですか?」
『そうですね・・・でも自由にできるのでこれはこれでいいかな〜と思ってます。ただ、ご飯の用意がめんどくさいですね・・・ハハ』
まだ一日しか過ごしてないのにもう家事(ご飯作り)を投げ出したいレベルでめんどくさい
「でしたら私も一人暮らしで、よくご飯を作りすぎたりするので食べにきてください」
『いや、悪いですよ・・・』
怖いよ・・・この人グイグイきすぎじゃないですか??????
この後断っていたのに沖矢さんの押しがすごすぎて連絡先の交換と、晩御飯を毎日一緒に食べる約束をするはめになった。