トリップ先は探偵物漫画!?

□第六話
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安室さんが居なくなった路地裏に残された私はこの状況に焦っていた



私の顔をしているこの人間がいまだに誰なのかわからなくて警戒を解けないでいた




そんな中沈黙を破ったのは有莉亜だった





「じゃあ、そろそろ帰ろっか?」





『あ、うん・・・・・』







微妙な距離感で歩き始めた




有莉亜の少し後ろで歩きながら観察をした





身長もまるで同じだし声も仕草もまるで自分と同じだった





居てもたってもいられなくなり話しかけてみた





『あのさ・・・』




君は誰?と聞こうとしたらいきなり振り返った有莉亜に口パクで何か言っているようだった




???????



と、う、ち、よ、う、き・・・・・





盗聴器か!?




まだここでは離せないということか




じゃあ家に帰るまでは他愛のない会話でもしておくか




『書類は書けたの?』




「え?あ〜うん、一応書いたからあとで確認してほしいな」




『分かった』






なかなか会話が続かない





中々の気まずさで結局家に着くまで無言のままだった





ようやく家に着いたときは安心感が凄かった





『あぁ〜やっと家に着いた〜』





「なんかすごい疲れてるね?」





『いろいろあったんだよ・・・』





有莉亜が何か器械を持って家の中をぐるぐる歩いていた





『何してんの?』




「ん〜?安全確認だよ」





全部の部屋を回って私が昨日着ていた服を持ってきた




『え、それ洗濯しようとしてたやつなんだけど・・・』





有莉亜は笑顔で無言のままその服を床に叩きつけた





『まじで何してんの!?なんか怒ってる!?』




いきなり笑顔の自分が奇妙な行動をしていたら怖いと思う




怖い






「それも脱いでくれる?」




そう言うと私の服に私が手をかけた





びっくりしている間に服をはぎ取られてしまった





『〜〜〜〜〜〜』





恥ずかしがっている私を横目にまた有莉亜は服を床に叩きつけた





その時、器械的な何かが壊れる音がした





「これで大丈夫だよ、姉さん・・・」
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