お話

□白西
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やばいなぁ…
さっき捻った左足が熱を帯びて尋常じゃない痛みを発している。

でもここでななが抜ける訳には…
大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。

意を決して足を踏み出そうとした瞬間、痛みと共に足の力が抜け思わず倒れそうになる。地面に体が打ち付けられる痛みを予想して身構えたけど、
次に感じたのは地面の硬さではなく、人の温もりだった。

『七瀬っ!』

いつもそばで聞いている安心できるあの人の声が聞こえて、自然と涙がこぼれた。

「まいやんっ…」
『大丈夫…大丈夫だから、』

みんなが集まってきたけど、まいやんは私が見るから。と言ってななを持ち上げてお姫様抱っこの状態で医務室に運んでくれた。


『足見して?結構腫れてるじゃん』
「ごめんなさい…いてっ、」
『いてっ、じゃないよ本当にー』
「痛いもんは痛いやんか」
『そうじゃなくて、なんでそう無理ばっかするの?って事』


だってななが抜けたらみんなに迷惑かけるやんか…

『どうせ、迷惑かけないようにとか思ってたんでしょ。』
「……」

バレバレやったみたい…

『…はぁ、いい?七瀬は1人で背負いすぎなの。もっとメンバーを頼らなきゃだめ!』
「…はい」

そういうまいやんはちょっと怖くて、でも凄い頼もしく感じた。

『次に無理したら、ちゅーして襲うからね!』
「それまいやんがしたいだけやろ。」
『へへっバレた?』
「バレバレや。」

前言撤回。まいやんはただの変態でした。
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