長編
□見えない檻01
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人間は恋をする。
それはごく自然な事だ。
恋をしたらその人に愛を伝え、
そして君と沢山色んなとこに出かけて、いっぱい楽しんで、色んな君を知って、沢山思い出を作りたい。
そう思うのも当たり前の事。
少なくとも僕はそうだ。
しかし、僕らにはそんな自然で、当たり前な事さえも許されなかった。
たった20畳の空間で君と出会い、
たった20畳の空間で恋をする。
君とはその狭い空間でしか会えなかった。
ねえ。いつか抜け出せると思う?
この見えない檻の中から。