hpmi 5 短編*シリーズ
□拍手log
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一郎連載ヒロイン 年末年始
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23時55分…
23時58分…
23時59分30秒…
23時59分50秒…
「10,9,8…」
「7,6,5…」
「4,3,2…」
『いち…「「「あけおめ〜(明けましておめでとうございます!)!!!」」」』
年越しそばを食べ終え、その日が終わるのをカウントダウンする。その日どころか、その年が終わった。そして新たな年が始まった。
『あー、限界かも眠い。』
12/31は早出で朝が早かったのもあり、起きていたのも船を漕ぎながらなんとか耐えていた。コタツにはまりながら天板に頬をつければひんやり冷たくて一瞬眠気がどこかに消えかけるも戻ってきた。Uターン早いなぁ。。。
ぽんぽん、と一郎に頭を撫でられ、起きたら初詣いくかと声が聞こえたのを最後に意識は途絶えた。
目が覚めるとそこはベッドの中だった。目の前には整ったお顔が目蓋を伏せている。最後の記憶はコタツだったが優しい彼が運んでくれたのだろう。
じっとその精悍な顔貌を見つめていれば、何か気配を感じ取ったのか低く掠れた声が漏れる。その色っぽさにどぎまぎしていると次第に赤と緑のオッドアイが目蓋から覗いた。ぽんやりと一拍視線が揺れてから私に焦点が合うと一郎はふにゃりと破顔する。何その顔、殺傷能力高過ぎ案件なんですが。新年早々殺す気か?顔がよすぎる。
「おはよ」
『お、はよ……』
寝起きの声ですら良すぎる。
「今年もよろしくな」
ちゅ、と額に落とされた唇に、思わず布団を被ったのは彼が私の心臓をわし掴んだから仕方ないと思う。布団の中から、私もよろしくお願いしますと返事をしたのだった。
もう少しだけ、この甘い朝を堪能してから初詣へ出掛ける準備をしてもいいだろうか。
2021
HAPPY NEW YEAR!!!!