hpmi 5 短編*シリーズ

□ノバスシリーズ
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アクリル板の向こう側。手を伸ばしたくてもそこには届かない。向こう側の宝が手に入る唯一の手段として、ただひたすらに100円玉を投入してボタンを押すことだけ。

『あー!また遠くに行っちゃった!』
「ヒャハハ!へったくそだな!」
『はぁ?じゃあ空却やってみてよ!』
「おー、拙僧にかかれば一瞬よ…オラ金だせ」
『私の金かよ』
「たりめーだろ、てめぇの欲しいもんとってやるんだからな」

コインを入れて、空却と台の前を入れ替わる。何の吟味もせずにボタンを押して当たり前にアームは空を切る。

『はやっ!もうちょっと横から見るとかしてよ!!』
「けっ、こんなもんそこら辺で買やーいいだろが」
『UFOキャッチャー限定だから必死こいてんでしょーがぁぁぁぁ、もうどいてよ!100円返せ〜!』
「いてっ!おい凪てめぇ…」
「おいおいお前ら、騒がしいな。わりぃ、遅くなった。」
『一郎!』
「おせーぞ、一郎。」


ギャーギャー騒いでいると、遅れてやって来た一郎。一郎!あんたならできる!とまたコインを投入して一郎に台を明け渡す。

「この置き方だと、こっちから狙ったらいけそうだぜ」
『分かった!どうぞ!』
「最初から俺がやるのかよ。」
『もう3000円は使ったからもう無理!』
「結構いったな。しゃーねぇなぁ…もうちょっと近づけないと無理そうだから、多分何回かは要るぞ?」
『任せろ、両替してくる!』

そうして見事お宝を一郎がゲットしてくれるのだった。

『ひゃー!一郎天才!最高!大好き!!!』
「わかったからくっつくなって。」
「一郎、お前すげーな!もうずっとここにいっから飽きたわ。向こうでマリカしようぜ!」
「おー、行こうぜ。」
『よっしゃ、100円の恨み返してやんよ』
「たった1回で騒ぎやがって…返り討ちにしてやんよ!」
「俺が優勝、お前ら低下層で勝手にやってろよ〜」
「んだとぉ!?」
『はっはっは!UFOキャッチャーの恩があるからって一郎、容赦しないからね!』

たった三人なのだが騒がしいメンツに周りは自然と避けていく。まぁそれも楽なんだけど。結局空却と私で車体のぶつかり合いでコースアウトしまくり一郎に負けたんだけど。そのあとは空却とタッグくんで一郎にアイテムぶつけたおして蹴落としてやった。

次に一郎と空却が今度は組んで私を標的にしようとしてきたのでアクセル全開で1位とって見返してやったわ、どんなもんだい!


*ゲーセン*



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