hpmi 5 短編*シリーズ

□ノバスシリーズ
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すす、と指先を一郎の首に滑らせる。ぽつりぽつりとある点を順に押して鎖骨へと降りていく。

『いーち、にーい、さーん、』
「おい、くすぐってぇ」
『しーい、ごーお、』
「聞いてんのか」
『あいたっ!何すんのさ!』
「こっちのセリフだっつーの」

一郎のホクロを数えていたらシバかれた。両手で頭を抱えて恨めしく一郎を見れば数えんなと怒られた。

『いちろ、ホクロ多いね。あ、ここにもみっけ』
「お前…懲りねぇな。」
『色が白いから目立つんだもん。ほくろって数えたら増えるんだっけ?ろーく』
「は?初めて聞いたぞ。だぁから数えんなって。」

耳の後ろにも見つけた。散らばる点が繋ぐ線で何かが見えそう…

『なんか星座出来そうじゃない?ええーっと……だめだ星座わかんない。』
「女子ってそーゆーの好きなんじゃねぇのか?」
『あ、それ偏見。ねぇ服まくっていい?』
「どんだけ数える気だよ…ダメに決まってんだろーが。」
『あ、ケチー!』
「凪もわりとあるんじゃねぇか?ほら、いーち、にーい」
『やめてよ、増えるじゃん!!!』
「凪からやってきたくせによくそんなことが言えるよな。増えろ、増えちまえ。さーん、よーん」
『やだ!ないところも数えてんじゃん!そこにホクロできるー!』
「はは!そんなもん迷信に決まってんだろ。いてっ」

腕を捕まれて私の腕のほくろを数えていく一郎の頭に逆の手でチョップをくらわす。まってこの石頭…!私の手の方が絶対痛かった!


*数える*




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