hpmi 5 短編*シリーズ

□ノバスシリーズ
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「腹減った!!」
『わかる!』
「ラーメンくいてぇ」
「うわ、ラーメンの口になっちまった」
『いいじゃん、ラーメンいこ!』

日付も変わりそうな夜遅くに空却から呼び出され第一声が空腹を訴える言葉。夕食から時間が開いてお腹には隙間ができている。一郎のこぼした言葉にみんな便乗してラーメンを食べに行くことに決まった。

「濃厚トンコツ麺大盛り1つとチャーシュー丼!」
「醤油ラーメン麺大盛りの唐揚げセットと餃子2人前とチャーハン大盛り1つで。」
『うげ、一郎食べ過ぎ…私は塩ラーメンの半チャーハンセットでお願いしまーす!』

食べ盛りの10代。夜中のハイカロリーメニューの背徳感なんてゼロである。料理の到着を待ちながら、最近の学校生活やバイト先の愚痴や最近来た面白い客の話、見たテレビの話で盛り上がる。どんどんと並べられる注文の品がテーブルの上を埋め尽くした。

「いただきます。」
『いただきまーす!』
「おう、食え食え」
『くーこーが払ってくれるわけじゃないのになんでそんな上からなの?』
「つーかお前は食わねぇのかよ?」
「…もうちょっとしてからな。」
『え、のびるじゃん。何、猫舌なの?』
「ふーふーしてやろうか?」
「一郎てめぇ弟達と同じ扱いしてんじゃねぇぞ」
『ふー!ふー!』
「あ、凪おまえ唾飛ばすんじゃねぇ!」
『はぁ!?唾飛んでないし冷ましてあげてんじゃん!』
「いらねー!」
『ほら一郎もふーふーしてあげて!』
「ふーふー」
「お前らぁ!!!」


両手で器を持って守りに入る空却に凪と一郎は笑った。



*猫舌*




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